超イケてると評判のアルピーヌのコンセプト車「A290_β」! どこまで市販モデルに生かせるのかデザインを詳細分析した (2/2ページ)

よく整理された各部のカスタマイズ

 サイド面は、シンプルなキャラクターラインによるスッキリしたドアパネルが印象的ですが、このラインがそのまま大きく張り出したリヤフェンダーの稜線につながるなど、各要素がよく整理されています。ここはすでに量産を見越した造形でしょうか?

 耐久レースカーのA470をオマージュしたという縦長のリヤランプは、ルノー5ほどではないものの、内部の縦形のグラフィックが効いています。また、このランプ間をつなぐ横型ガーニッシュは、一見「これって必要?」と思えますが、先述のリヤフェンダーと高さを合わせることで、後ろ姿を引き締めるいいアクセントになっています。

 一方、ホイールは外周に届くほどの大きな正方形を用いたデザインが目を引きます。ボディ全体のシャープさの反映に加え、BEVという先進性の表現でもあり、この直線的な表情はボディとよくマッチしています。これも是非残して欲しいところ。

 最後に、同車である意味いちばんコンセプトカーらしいのが、アルピーヌカラーであるブルーやマゼンダのラインやライティングです。インテリアのそれはいささかショーカー的ですが、サイドウインドウ上端やホイール内、バンパー中央のアクセント、あるいは縦型のリヤストップランプなど、ボディ各所に施されたカラーリングが見所。これらすべては無理にしても、イメージは残せるよう「差し色」として量産車に生かして欲しいと思います。

 さて、次期ルノー5をベースにアルピーヌとしての独自性を盛り込んだA290_β。フロントウインドウを除いたエクステリアのカスタマイズはかなり現実的で、多くの部分が市販車に生かされそうです。まあ、あくまでも日本市場を考えれば、BEVという低くない壁はありますが……。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

新着情報