まるでロケットのような三角形! 2012年にル・マンへと参戦した「日産デルタウィング」はイロモノじゃない挑戦的なクルマだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■10年以上前に実戦投入された日産のレーシングカー「デルタウィング」

■フロントが極端なナロートレッドとなっているのは空気抵抗を減らすため

■ジュークの1.6リッター4気筒ターボを改良したエンジンを載せていた

フロントのナロートレッドは空力を最優先した結果

 2023年、記念すべき100周年を迎えたル・マン24時間耐久レースが終了した。ご存じのように、トップカテゴリーに帰ってきたフェラーリが優勝するという結果で、ここ数年のル・マンを支えてきたトヨタはポディウムの頂点に立つことはできなかった。

 とはいえ、これでトヨタは諦めたというわけではない。将来的な水素カテゴリーを見据え、水素エンジンを搭載したレーシングカー「GR H2 Racing Concept」を公開するなど、トヨタのル・マン挑戦はまだまだ終わらないという強い意思を感じさせた大会でもあった。

 それにしても国内のスーパー耐久などを「走る実験室」として開発が進められている水素エンジンは、ル・マンで戦えるレベルになっているというのは驚きだ。開発スピードの速さ、目標設定の高さあってのことだろう。もっとも、実際にル・マンを走って、その成果を見るまでは水素エンジンの可能性やパフォーマンスを評価するのは時期尚早かもしれないが……。

 それはさておき、日系メーカーが手がけた革新的な耐久マシンといえば、2012年のル・マン24時間耐久レースに、特別枠で参戦した「日産デルタウィング」を思い出すというファンもいるのではないだろうか。

 真っ黒なボディに、ゼッケン「0」をつけた日産デルタウィングのスタイルは、まさに革新と表現するほかないユニークなもの。フロントが極端なナロートレッドとなっているのは、空気抵抗を減らすためで、いわゆるウイングのような空力付加物は最小限度のボディメイクとなっているのも見てとれる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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