「可愛そうだから」で運転中の車内で野放しは「違反」な上にむしろ「虐待」! クルマと犬のプロが語る愛犬の乗せ方の正解とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ペットとドライブするときに気をつけないと道路交通法違反となる場合がある

■ドッグライフプロデューサーでもある筆者が愛犬をクルマに乗せている方法を紹介

■愛犬とのドライブで役に立つアイテムも紹介する

ペットとのドライブで注意すべきこと

 ここ1~2年で、愛犬と泊まれる宿泊施設が急増。モータージャーナリスト&ドッグライフプロデューサーの筆者も毎月のように、新施設に訪問しているほどだ。

 高速道路のSA/PAにドッグランが併設されているところも多く、つまり、愛犬とドライブ旅行する環境が、以前にも増して整ってきたことになる。観光地、リゾート地に向かう高速道路のSA/PAに立ち寄ると、愛犬連れの旅行客をいままでより格段に多くみられるのもその証拠と言っていい。

 が、すべての愛犬家が、愛犬とのドライブで、愛犬を正しく乗せているかは、疑問だ。愛犬の乗せ方によっては、危険を伴い、また、道路交通法違反になることもあるから要注意である。

 まず、可愛さのあまり、あるいは愛犬が寂しがり屋だからといって、ドライバーが愛犬を膝の上に乗せて運転している光景を見かける。これは完全にNG、道路交通法違反である。その根拠は道路交通法第55条2項(乗車又は積載の方法)にあり、「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装着の操作の妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安全を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」という点で引っかかる。

 当然、反則金と違反点数を課せられることになる(普通車で7000円、違反点数1点)。ゴールド免許ともお別れである。

 あまり言いたくはない話だが、日本において、ペットは法律上モノ扱い。膝の上に大きな、運転の支障になるような荷物を乗せたまま運転しているのと同義なのである。

 また、愛犬が窓から顔を出して走行しているのも、同様の道路交通法違反になる。これは、サイドミラーの視界を遮る可能性があるだけでなく、万一の際、愛犬が車外に放り出される危険があり、「愛犬が風に吹かれ、気持ちよさそうだから」なんていう理屈は、法律上、通用しない。

 こちらは道路交通法第七十条に抵触し、普通車で反則金9000円、違反点数2点となる。

 ところで、愛犬とドライブしているとき、愛犬が排泄するのは致し方ないこと。愛犬家ならすぐに拾い、適切に処理しているはずだが、その排泄物を、良かれという思いで、自宅に帰って処理するためビニール袋に入れてリヤワイパーに引っかけて走っているクルマを見かける。が、それもまた道路交通法違反なのである。

 根拠は道路交通法第第11節(乗車、積載及び牽引)の55条(乗車又は積載の方法)にあり、「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない」である。

 リヤワイパーは積載場所ではないため、完全にアウト。しかも、万一、走行中に落下したとすれば、後続車がそれに驚き、事故に巻き込まれる可能性もあるから危険そのものだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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