コロナが5類に引き下げられて「バスマニア」歓喜! 「オタ席」がやっと解放された

この記事をまとめると

■コロナが落ち着き、路線バスの乗降扉側最前列の席が解放されつつある

■この席は「オタ席」と呼ばれ、バス愛好家に親しまれている

■しかし「オタ席」が設定されていないバスも存在

バス愛好家にとってはVIPシート!

 新型コロナウイルスが感染法上の分類で、2類から5類へ扱いが引き下げられ、感染拡大予防の行動自粛もほぼ緩和され、コロナ禍前に近い生活環境が戻ってきた。筆者がこのような動きのなかでとくに嬉しかったのが、一般路線バスにおける通称「オタ席」の解放である。

「オタ席」とは、路線バスにおいて乗降扉側最前列の席のこと。運転席を「ガン見」することも可能なこの席は、多くのバス愛好家にとっては『VIPシート』以外の何ものでもない。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大が進むなか、おもに乗務員への感染予防の観点からこのオタ席が封印、つまり座れなくなる措置が、少なくとも筆者の生活圏内にあるすべてのバス事業者でとられてしまった。

 新型コロナウイルス感染拡大が落ち着きを見せるなかでも、首都圏のバス事業者はオタ席の解放には消極的であった。そのなか、地方都市ではオタ席の解放が進んでいると聞き、全国旅行支援などを活用して、福岡県や北海道などを訪れてはオタ席に座って『乗りバス』を楽しんでいた。筆者の自宅から比較的近い栃木県宇都宮市では、「後ろ扉車両」など往年の名路線バスが多数現役で活躍しており、しかもオタ席にも座れるので足しげくいまも通っている。

 そして、新型コロナウイルスが5類へと引き下げられたタイミングで、首都圏でも大手事業者や自治体運行路線バスでも相次いでオタ席が解放された。とくにうれしかったのが、コロナ禍に都営バスに導入された、最新の三菱ふそう「エアロスター」のオタ席に座ることができた瞬間である。この車両はコロナ禍に新規導入されているので、オタ席がずっと封印されていたので、初めて座ることができたときの感動はなんともいえないものであった。

 ところで、このオタ席だが、Jバス(日野といすゞの合弁バスメーカー)製の、日野ブルーリボンといすゞエルガの現行車両ではオタ席が設定されない車両が大半となっている。そのような車両に乗り合わせたときに、バス愛好家の末席にいる筆者は、中扉すぐ後ろの扉側席に座るようにしている。ここは事業者によってはシングルシート(1名乗車)となっており、段差があり位置が高いので前方視界もクリアで気に入っている。さらには扉側最後部席も「お気に入り席」としている。とくに真夏では、この席の真上にはエアコンの冷気が出てくるルーバーが複数あり、真下にあるエンジンの振動と音を楽しみながら、それをフル活用して冷気を浴びるのはまさに至福の時間である。

※写真はイメージ

 日野が三菱ふそうと経営統合したのは最近の出来事で、今後どうなるかわからないが、三菱ふそうエアロスターが日野へOEM(相手先ブランド供給)されれば、筆者がよく利用するバス事業者は日野車両を代々使ってきているので、将来的には新車でもオタ席が復活するのではないかと密かに期待している。5.2リッター直4エンジン(Jバス車)よりも、やっぱり7.5リッター直6エンジンのほうが筆者の心をくすぐる。その日がくるのを願ったりもしている。ちなみにふそう車両では、7.5リッター直6のエンジン音や振動を堪能したくてオタ席が空いていても最後部席に座ることもある。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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