赤信号なのに停止線を越えて止まっているのは基本違反……でも違反にならない状況もあった! (2/2ページ)

停止線を超えて待つことは原則NGだが例外も多い

 ただし二段停止線は、左折時の巻き込み防止には効果があったかもしれないが、二輪のすり抜けを容認しているという批判もあり、近年は減少傾向にある。

 二段停止線のイメージが残っているベテランライダーの中には、四輪の停止している前に出ることが二輪ライダーの安全を守るという思いが強く、通常の停止線であっても四輪の前に出てしまうクセが残っているのかもしれない。

 ちなみに、赤信号で停止線を超えている状況が必ず信号無視になるかといえば、そうではない。

 たとえば、青信号のときに停止線を超えていたが緊急車両が来たので一時停止、その後に赤信号になってしまったので、停止線の前で止まっている……という状況であれば、停止線を超えたのは青信号のときなので信号無視とはならない。

 前述した二輪が停止線の前に止まっているケースであっても、青信号のときに停止線の前にいたが、交差点の先が渋滞している状況なのでそこで停止して待つことにした、といったものならば信号無視とはいえないだろう。

 また、自転車、新たに生まれた特定小型原付といった小さなモビリティについては、二段階右折が基本となっている。原付バイクについても大きな交差点では標識などに基づいて二段階右折を行う必要がある。

 あらためて確認すれば、二段階右折というのは右折したい交差点において、右ウインカーを出しながら直進、向かって左端付近で右に向きを変えて正面の信号が青に変わるのを待って進むというものだ。この場合は青信号のときに交差点を渡り、停止線の前にいることになるので信号無視ではない。

※写真はイメージ

 つまり、二段階右折で信号待ちをしている原付バイクを見て、「停止線の前にいるから信号無視だ。警察は取り締まるべき!」というのは間違いだ。その意味では、静止画像において停止線の前に原付バイクや電動キックボードなどが止まっているからといって「交通ルール無視で乗っている」と決めつけることはできない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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