海外のクルマ好きまでワザワザ来訪! 違法改造車や占拠問題も発生している「大黒PA」はなぜ人気?

この記事をまとめると

■クルマ好きの聖地として海外でも有名な「大黒PA」

■駐車スペースも広くてアクセスしやすい場所に立地しているため集まりやすい

■マナーを守った使用で誰もが自由に利用できる真の聖地になってほしい

クルマ好きの聖地となっている大黒PA

 首都高速湾岸線にあるパーキングエリア、大黒PAはクルマ好きが集るスポットとして有名なところ。

 走り屋指向のクルマから、旧車オーナー、スーパーカーオーナー、ドレスアップ系のカスタマイズ、ローライダー、バニング系、大きなウーハーを積んで大音量の音楽を流す音響系まで、良し悪しは別として珍しいクルマ、個性的なクルマが集う場所として海外にまで知られるほどだ。

 なぜそこまで大黒PAはクルマ好きに人気があるのか。

 第一にアクセスの良さ。大黒PAは首都高速神奈川5号大黒線と首都高速湾岸線の合流部にあって、地元神奈川県はもちろん、東京、千葉方面からも便がいい。とくに湾岸線はチューニングカーやスーパーカーで駆け抜けるには気持ちのいいエリアだし、片側三車線で道も広いので、速いクルマでなかったとしても、グループで一団となって走るのにも適している。

 また、駐車台数も普通車335台/大型車58台/障がい者専用5台と、キャパが大きいのも人気の要素。

 予約も不要で公共のスペース。首都高の通行料金はかかっても駐車場代はとられないし、時間制限も基本的にないとなれば、クルマ好きが集るのに最適の場所と考える理由は十分ある。

 加えて「ヨコハマ」という響きもいいし、大黒埠頭では昔ストリートゼロヨンも盛んだったし、大黒PA前の大黒埠頭も一時ドリフトでも盛り上がっていて、「大黒」=走り屋のイメージはずいぶん前から定着していた。

 1990年代になるといわゆるオフ会の会場としても、大黒PAが注目されるようになり、多彩なオーナーズクラブの集まりや、チューニングカー、カスタムカーが集結するようになり、その後、SNSの普及もあって、ますます同じ趣味の人が大黒PAを目指すようになった。

 その結果、派手な改造車や違法改造車、そして大きな音を出すクルマなどが目立つようになり、それらのクルマが長時間駐車スペースを占有して騒いでいることが問題視されるようになり、連休や週末のごとに、夜間たびたび大黒PAが閉鎖されることになってしまった!(そもそも大黒PAの敷地内には、神奈川県警高速隊大黒分駐所があるのに、ここに違法改造車や、場内の段差を越えられず亀の子になるほどのシャコタンでやってくるのは……)

 閉鎖中もトイレやEVの充電施設は使えることになっているが(2008年、国内の高速道路上で初めて電気自動車用充電器が設けられたのが大黒PA)、マナーの悪さや、悪目立ちするクルマによって、使用が制限されるのはまことに残念。

 アクセス、ロケーションもよく、映える写真も撮りやすい大黒PAだが、利用方法を考えて、クルマ好きの人も、そうでない通りがかりの人も、誰もが気持ちよく使えるPAとして、真の聖地化に向かっていって欲しいところだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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