この中身が「デルタHFインテグラーレ」ってマジか! 「激軽」でデルタよりも高性能だった「ハイエナ・ザガート」の正体とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ザガートはランチア・デルタHFインテグラーレをベースに「ハイエナ・ザガート」を製作

■4WDシステムはそのままにノスタルジックなクーペスタイルにモディファイ

■75台の生産を予定したが実際には約25台ほどで生産が終了している

デルタHFインテグラーレがザガートによって大変身

 そのコンパクトなクーペモデルの限定生産を企画し、ランチアに提案したのは、実業家で自動車販売業を営んでいたポール・クートという人物だった。だがランチアは、それを生産してもコスト的に割が合わないとして、この提案を却下。結局、クート氏は芸術家であるナーニ・デデスキー氏の描いたスケッチとともに、カロッツェリア・ザガートを訪れ、その生産を依頼することになる。

 実際のデザインはチェントロ・スティーレ・ザガートのマルコ・ペドラチーニによって手直しされ、1992年にザガートの創立75周年を記念して、75台の限定車として発表された。

 ハイエナ・ザガートの企画は、ザガートがその製作を行うことになっても、フィアットからの了承を得ることはできなかったため、ザガートはベースとなるランチア・デルタHFインテグラーレを、ドナーカーとして一台一台購入する必要があった。

 デルタの4WDシステムをそのまま継承しつつもホイールベースを短縮。

 さらに徹底的な軽量化のためにボディワークとキャビンの両方にきわめて軽量なコンポジット素材を使用することが決定された。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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