アメリカで「ミニバン」とはダッジの”このモデル”だった! 日本でも大ブームとなったアメ車「ダッジ・キャラバン」を振り返る (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ミニバンの元祖といえばそれはダッジのキャラバンだ

■フルサイズバンに対してひとまわりサイズが小さかったことからミニバンと呼ばれた

■ミニバンカテゴリーを作り上げたダッジであるが現在のラインアップにミニバンはない

ダッジのフルサイズバンより小さいバンがファミリー層に大ヒット

 国内市場で売れ筋ジャンルとなっているミニバン。その元祖といえば1983年のダッジ・キャラバンです。初代キャラバン登場後、多くのミニバンが世界中で販売されてきましたが、残念ながらパイオニアとなるダッジは現在、ミニバンの販売から手を引いてしまいました。

 とはいえダッジの歴代ミニバンは“らしさ”満載で魅力的。今回はダッジがラインアップしてきたミニバンについて振り返ります。

元祖ミニバンはダッジが開発

 国内でファミリー層を中心に人気が高いミニバン。2023年7月の登録車販売台数ベスト10には、トヨタ・ノア、シエンタ、ヴォクシー、日産セレナ、ホンダ・フリードと5台がランクインしているほどです。ただ、疑問に思いませんか「ミニバンっていうほど『ミニ』ではないよね」と。

 そんなミニバンの元祖といえるのが1983年にデビューしたダッジ・キャラバン。当時、フルサイズバンが商用車ベースのFR車だったことに対して、キャラバンは乗用車ベースのFFレイアウトを採用。いまでは当たり前になりつつある3列シートやスライドドアも備えるなど、実用性が高いことで大ヒットとなりました。

 そもそもミニバンとは、1960年代からアメリカのフォードやGMが販売を開始した全長5mを超えるフルサイズバンに対して、全長4.5m程度だったキャラバンを「ミニバン」と呼んだのがその発祥です。

 その後、GMやフォードも同ジャンルのミニバンを開発。ユーティリティ性能が高いことに加え、フルサイズバンよりサイズが小さく運転しやすいなどのメリットを有していたことで、ミニバンは多くにユーザーに支持されていきました。

キャラバン(Caravan)

 ミニバンの元祖であり、ミニバンの定義を定めたともいえるのが1983年に誕生したキャラバン。

 先に記載したように、商用車をベースとしたフルサイズバンがレジャーを楽しむユーザーを中心に人気を集めていたなか、ひとまわり以上小さなボディに3列シートを備えて登場した初代はたちまち大きな人気を集めたのでした。

 キャラバンはモデルチェンジを繰り返していきますが、4代目から5代目へのフルモデルチェンジの際、ロングボディのグランドキャラバンへ統一されたことで長い歴史に幕を下ろしました。

グランドキャラバン(Grand Caravan)

 初代キャラバンが大ヒットしたことで、さらに実用性を高めるべく全長とホイールベースを延長し、1987年に登場したのがグランドキャラバン。一般ユーザーはもちろん、キャンパーなどから大きな支持を集め、キャラバンのモデルチェンジとともに新型が登場してきました。

 2008年に登場した5代目からキャラバンはロングボディのグランドキャラバンのみを販売するに至り、車名もそのままグランドキャラバンとして販売されました。

 5代目グランドキャラバンは「クライスラー・グランドボイジャー」として日本でも正規販売。全長5144mmと1980年代のフルサイズバンに近いサイズにまで大きくなっていました。

 長年、ダッジを引っ張ってきた同車ですが、クライスラーがステランティス傘下となったことでブランドを整理。ダッジはマッスルカーやSUVを中心に販売するブランドとして再構築されることになり、ミニバンのグランドキャラバンはラインアップから消えることになりました。


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