Nシステムって何? 設置目的やオービスとの違いや見分け方を解説! (2/2ページ)

じつは覆面パトカーや白バイが隠れている可能性も!

 Nシステムは速度取締機ではないので、たとえ制限速度をオーバーして通過しても、同システムの撮影によって速度違反が検挙される心配はありません。

 そのため、こうしたことを知っている人は、速度違反自動取締装置の手前では減速しますが、「Nシステムの下は、いい勢い(!?)で通過しても、問題なし」として、元気よく駆け抜けていくツワモノも多いようです。これが意外な落とし穴だったりすることも……。

 たしかに、Nシステムでは速度は計測していません。しかし、当たり前ですが警察の施設内には、このNシステムが撮影した画像を監視している部署があるわけで、そこでモニターを監視している担当者が、「○○道、何キロポスト付近を、制限速度を大きく上まわるペースで走っている、△色のスポーツカーを発見」と、現場付近のパトカーや白バイに知らせていないとは限らないのです。

Nシステムのイメージ04

 いや、むしろ筆者の周囲の関係者からは、高速道路などでNシステムの下を勢いよく通過すると、その数キロ先で待ち構えていたように覆面パトカー、もしくはパトカーが現れる、という話をよく耳にします。

 また、高速道路などでは、「速度自動取締機設置路線」という警告板が表示されている区間に、このNシステムが設置されていて、Nシステムを速度違反自動取締装置だと勘違いしたドライバーが、Nシステム通過後に、ペースを上げた頃合いに、本当の速度違反自動取締装置が待ち構えていて、うれしくない有料記念撮影ということも!

バイクのナンバープレートは検知できる?

 前面にナンバープレートがないことやフルフェイスヘルメット着用時、顔の判別が困難なことなどを理由にバイクは速度違反自動取締装置に撮影されても捕まりにくいと言われています。

 同様に従来のNシステムもバイクのナンバーを読み取ることができないといわれていました。

 しかし2018年から導入が始まった可搬型Nシステムは背面からの撮影ができるようになったことでバイクのナンバーも読み取りも可能になったと見られています。

Nシステムのイメージ05

ナンバーを隠すと違法?

 基本、Nシステムにクルマのナンバーを読み取られても困るドライバーはいないはずですが、それでも監視されるのは正直うれしくはありません。それならばナンバーをなんらかの方法で隠せばいいのでは、と思うドライバーもいると思いますがナンバープレートをきちんと識別できないと懲役刑や罰金刑に処せられます。

 平成28年4月1日からはナンバープレートの表示義務が明確化。ナンバープレートについて、カバーなどで被覆することやシール等を貼り付けること、汚れた状態とすること、折り返すことなどが明確に禁止されました。

 それらが守られていない場合、道路運送車両法第19条をはじめとする法律により最大で1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金が課せられることがありますのでご注意を!

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スピードの出しすぎによる事故に気を付けよう

 Nシステムが速度違反を取り締まらないからといってスピードの出しすぎは大きな事故に繋がる危険がありません。

 スピードを出しすぎることで視野が狭くなるだけでなくブレーキの停止距離も長くなってしまいますし、そもそもスピード違反は死亡事故の確率を高めてしまう危険な行為。

 走行中、速度違反自動取締装置かNシステムかと違いを認識するより、取り締まりにならない速度で運転することを心がけましょう。

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まとめ

 犯罪捜査に用いられるNシステム。以前、筆者に警察関係者が「Nシステムや防犯カメラがあることで犯罪検挙率が格段に上がった」と言っていましたが、一般ドライバーからするとオービスと見分けがつきにくいやっかいな装置。また行動を監視されていると感じることで、本音を言えばありがたい装置ではありません。

 改めてですがNシステムはスピード違反を取り締まるものではありません。だからといって同システム設置場所でスピードを気にせず走行して良いわけではありませんが、本来の使用目的を認識し、高速道路などで焦らず走行することを心がけましょう。


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