突然の減速やけたたましい警報音に「あ〜ビビった!」 最近の運転支援&安全装備の「転ばぬ先の杖」っぷりは十分機能を理解してないとヤバい! (2/2ページ)

急停止も急減速も事故を未然に防ぐためと割り切りたい

 同一車線でのハンズオフドライブを制限速度内(実際には+10km/h)で実現したプロパイロット2.0という最先端の先進運転支援機能がある。日産スカイラインから始まり、いまでは日産アリア、日産セレナ・ルキシオンに搭載されている。高速道路の本線走行で、ナビゲーションで目的地設定をすると、ナビ連動ルート走行を開始。ハンズオフ状態で前車追従走行はもちろん、車線変更、追い越しに始まり、分岐、カーブ手前制御などを実現。値段はまだ張るものの、自動運転にもっとも近い先進運転支援技術と言える。

 が、そんなプロパイロット2.0も登場したばかりのころ、スカイラインを高速道路で試乗した際、思いがけないびっくりに遭遇したことがある。

日産スカイライン(13代目)のフロントスタイリング

 高速道路を80km/hでプロパイロット2.0によるハンズオフ、自動レーンチェンジを含む走行を行い、高速出口のスロープに侵入したときのこと。前車などいないのに、いきなり強烈な急減速に見舞われ、なにが起こったんだ!! と驚きを隠せなかった。それはトラブルでも何でもない。プロパイロットは標識を呼んでいて、80km/hから出口路の40km/h制限になったとたん、制御が実直に80km/hから40km/hに速度を落とそうと、急減速を行ったためだった。

日産スカイライン(13代目)の運転支援機能「プロパイロット2.0」の作動時

 現在のプロパイロット2.0はそのあたり、改善されているのだが、プロパイロット2.0の初試乗のときは感動しつつ、びっくりも経験したのであった。

 最後に紹介するのは、かなりありがたい先進運転支援機能であり、その機能を知っていればどうということはないのだが、知らずに経験するとびっくり!! という先進運転支援機能だ。具体的にはちょっと前のボルボで経験したのだが、車両が車線をはみ出そうとすると、安全のために車線内にグイッと引き戻してくれる機能だ。

ボルボV60(2代目)の走行写真

 車線をはみ出そうとするとステアリング振動などで警告してくれる機能は以前からあったのだが、ボルボにはLKA(レーンキープエイド)とランオフロードミティゲ―ション(道路逸脱回避支援機能)のふたつがあり、いずれも車両を元の車線、道路に戻すべく、ステアリングが自動で作動。ランオフロードミティゲ―ションの道路逸脱の場合は道路に戻るようにステアリング、必要に応じてブレーキもかけてくれるため、うっかりそうした機能が付いていることを知らないと、クルマが勝手に動く……という感じで、びっくり、驚くはずだ。

 びっくりすることもあるいまどきの先進運転支援機能は、衝突、事故を起こさないための配慮ある機能であり、ときにはびっくりするかも知れないが、バック時のセンサー過敏反応を除いて、スバルアイサイトの母親と子どもが出てくるTVCMのように「おかげで助かった!!」となるに違いない。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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