MT車なのに自動ブレーキも追従クルコンも! 今秋登場の「MTのBRZ+アイサイト」の気になる中身!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

スバルの先進運転支援システム「アイサイト」

■今秋マイナーチェンジのBRZにMT用アイサイトが搭載される

■史上初のMT用アイサイトの内容について解説

ついにMT用アイサイトが実現!

 いきなりだが、熱心なスバリストにおけるジレンマのひとつが「アイサイト」の存在だったのではないだろうか。

 ステレオカメラによって前方の車両や歩行者との衝突の危険性を検知したとき、ドライバーがよそ見をしているなどして適正にブレーキ操作をしていない場合において、車両が自動的にプリクラッシュブレーキを作動させる機能を国産車として初搭載したのは、5代目レガシィ(BM/BR系)だった。

 その先進運転支援システムにつけられた名称が『アイサイト』であり、「ぶつからないクルマ?」というインパクトのあるCMキャッチコピーによって、スバルというブランドがもつ安全意識が多くのユーザーに広まるきっかけになったことを覚えているファンは少なくないだろう。

 視界にこだわり、危機回避できるハンドリング性能を高めるなど、スバルの総合安全性能を評価してきたスバリストにとって、アイサイトの登場と進化は、まさにスバル・ブランドの象徴といえるテクノロジーであったが、ある面においては痛しかゆしな機能ともなった。

 なぜなら、生真面目なスバルのエンジニアは「ドライバーの意思とは別に緊急ブレーキを作動させるアイサイトは(エンストに伴う課題があるので)、MT車に適合させるのは難しい」と長年に渡り主張してきたからだ。

 そのため、アイサイトによる先進安全性がスバル・ブランドの価値として市場が認めるにつれ、スバル車からMTが消滅していった。その結果、現時点でMTの設定があるのはFRスポーツカー「BRZ」だけとなってしまったのは、ご存じのとおりだ。

 ちなみに、マツダはMT車に追従クルーズコントロール(ACC)やプリクラッシュブレーキ(AEBS)を搭載した仕様を用意しているし、スズキやダイハツの軽商用車ではMTとAEBSの組み合わせが存在している。技術的にMTと先進安全機能の組み合わせは不可能ではない。

 そうした背景もあって、頑なにスバルがMT用アイサイトを登場させないことについて、ファンはヤキモキしていたかもしれない。

 しかし、ついにMTとアイサイトの組み合わせが登場することが発表された。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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