あおりはもちろん「追い越しブロック」に「ウインカーレス」もダメ! 高速の「追い越し&追い越され」で周囲をイラつかせる行為をまとめてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■高速道路での追い越しシーンでイライラを感じる人は多い

■法律違反となる行為も多く見かける

■色々なドライバーがいることを認識して走行すべき

追い越されるほうにもルールがある!

 ドライバーひとりひとりが周囲に気を配り、相手を思いやる運転をしていれば、誰もイヤな思いをすることはないはずなのですが、イラッとしてしまう瞬間って、あるものですよね。とくに、高速道路を走っているときにそうしたイライラを感じやすいシーンといえば、追い越したり追い越されたりするときです。

 まず、片側に2車線以上ある高速道路や自動車専有道路では、いちばん右側の車線が追い越し車線、そのほかの車線が走行車線となっています。道路交通法では、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」と定められています。そして前を走行する車両に追いついてしまったときにその車両の前に出ようとする場合、つまり追い越しをする場合には、「その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない」とされています。つまり、走行車線は追い越しをすることができない車線なので、追い越し車線を走行して追い越さなければならないということになります。

高速道路のイメージ写真

 でも、その追い越しかたにも注意が必要。前走車より前に出るには、当然ながら前走車の速度より速い速度で走らなければならないですが、相対速度が小さいと追い越しを完了するまでには思ったより長い時間がかかるものです。たとえば前走車が自車の50m先を100km/hで走っていて、110km/hで追い越そうとすると、完了するまでに18秒くらいかかってしまいます。距離にすると250m以上必要という計算になります。

 そのため、早く前走車の前に入りたいと焦ってすぐに元の車線に戻ってしまうと、追い越された側としてはいきなり前に無理やり割り込まれたような印象を受けてしまうのです。これでは、びっくりしたり、恐怖を感じたり、イラッとしてしまうのもわかりますね。追い越しをしてまた元の車線に戻るときには、追い越した車両がバックミラーに映るくらいまでリード距離を取ってから、戻るようにしましょう。もちろん、右車線に移る際にも同様に、右車線を後ろから走ってくる車両がどのくらいの速度なのかをしっかり見極めて、いきなり前に出てくるような印象を与えないよう、十分な余裕を持って追い越しを行うようにしたいですね。

高速道路上での車線変更のイメージ写真

 続いて、前走車に追いついてしまったので、右車線に出て追い越しをしようと思ったら、急に速度を上げはじめて追い越しを妨害するような行為をされると、イラッとしてしまいますよね。これはれっきとした違反行為にあたり、道路交通法では「他の車両に追いつかれた車両の義務」が定められていて、「最高速度が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。」となっています。つまり、自車の後方から追い越しの車両が来た場合、その行為を妨害してはいけませんよ、ということです。高速道路は速度を競い合う場所ではないので、速い車両にはヘンな対抗意識を燃やすことなく、すみやかに追い越されるようにしましょう。

高速道路の車線上が混み合っているイメージ写真


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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