EVの疑問! 「吹き上がりのいいエンジン」みたいにモーターも「モノによって」フィーリングは異なるのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■EVはエンジン車よりも出力特性を自在に変化させることができる

■モーターの回転の感触や力の出具合は電流調整の仕方にかかっている

■モーターやEVの開発者の開発目標が明確でなければ面白味のないEVになってしまう

EVの走りの楽しさは開発者の目標次第

 電気自動車(EV)の技術者によると、メーカーを問わず、モーターの応答性はエンジンの100分の1ほど優れるという。つまり、わずかな電流の流れによって、モーター出力を素早く自在に変化させることができるというわけだ。

 また、モーターは、0回転(停止状態)から少し動き出せば、そこからの電流の流し方次第で最大トルクを一気に出せる特徴がある。したがって、モーターのまわり出しからの電流調整如何で、出力特性を自在に変化させることができることになる。

トヨタbZ4Xの走行シーン

 逆に言うと、そこの制御をきめ細かく行わず、いきなり大電流が流れてしまうと、それこそ体が後ろへ持っていかれるほど猛烈な加速をしてしまうことになりかねない。

 そうしたモーターの特性から、運転者のアクセル操作に対する電流や電圧の調整プログラム次第で、加速感覚はいかようにも変えられる。たとえば、スポーツカーであれば、アクセルペダルの踏み込みが深くなるほど電流の流れを高くしていけば、加速度が一気に高まるような特性を描くことができる。逆に、ゆったりと上質な走りにしたければ、運転者のアクセル操作に正比例した電流の流し方にすれば、思いどおりの加速で、かつ上品な走りを生み出すことができるのではないか。運転が苦手な人には、多少多めにアクセルを踏み込んでも、急加速しない特性も作り込める。

日産アリアの走行シーン


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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