PHEVシステムを降ろして純エンジン化! 新たな「フェラーリチャレンジ」車両「296」を発表 (2/2ページ)

296チャレンジの全身から感じる戦闘的イメージ

 296チャレンジは、チャレンジ史上初となるV型6気筒ツインターボエンジンを搭載するマシンだ。ベースとなる296GTBには、これにPHEVのシステムが加わるのだが、296チャレンジからはそれは除かれ、2992ccの排気量から700馬力の最高出力と740Nmの最大トルクを発揮。

フェラーリ296チャレンジの真正面フロントスタイリング

 これはエンジン単体の比較では、296GTBのそれよりも最高出力では37馬力ハイパワーなスペックとなり、リッターあたり234馬力という数値は、このセグメントでは新たな記録となる。740Nmの最大トルクは296GTBのそれから変わらない。

 エアロパッケージも大きくその姿を変えている。フロントのバンパースポイラーや、エアアウトレットが新設されたボンネットに始まり、大型のリヤウイングやディフューザー。エキゾーストシステムもリヤグリルに導かれるのは変わらないが、その位置は変更され、リヤフェンダーもワイド化されているのがわかる。

フェラーリ296チャレンジのボディサイド

 このエアロパッケージが生み出すダウンフォースは、リヤウイングの仰角が最大のセッティング時には、250km/hで870kgを超えるという驚異的なもの。

 ボディ全体から感じる戦闘的なイメージは、ますますフェラーリが488GTBを生み出すときにインスピレーションを得たという、1960年代の250LMのそれに近くなったようにも感じられる。

フェラーリ296チャレンジのフロントスタイリング

 296チャレンジに搭載されるメカニズムで、もうひとつ注目できるのは、「ABS EVO Track」というABSの制御システム。296チャレンジにはCCM-R PLUSと呼ばれる新たなブレーキディスクが採用されているが、これはそのブレーキ性能と安定性を最大限に引き出すためのもの。

フェラーリ296チャレンジのブレーキとホイール&タイヤ

 タイヤはピレリによって専用開発された。こちらもニューモデルの19インチ径で、ドライバーはサーキットで卓越したハンドリング性能とパフォーマンスを感じることができるだろう。

 エントリー車両がニューモデルに、しかもこれまでのV8モデルからV6ツインターボへと変更される2024年のフェラーリ・チャレンジ。その開幕を心待ちにするファンはきっと多いに違いない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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