ホンダファンでも全部を言い当てるのは難易度高し! ホンダの「●R-V」シリーズを探したら8車種もあった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ホンダからコンパクトSUV「WR-V」が発売された

ホンダは「●R-V」と名付けられたSUVが数多くラインアップしている

■海外専売車にも用いられており、「●R-V」の名前はホンダのSUVを象徴するネーミングだ

ホンダは「●R-V」だらけ!

 2023年12月23日、ホンダは2024年3月に発売予定の新型SUV「WR-V」を発表した。見た目から連想されるように、このWR-Vは1.5リッター4気筒エンジンを搭載するコンパクトクラスのSUVだ。2023年12月の時点では日本国内販売を休止しているものの、WR-Vと同じく2024年にFCEV車が発売予定の「CR-V」、そして1.5リッターターボと2リッターe:HEVを搭載する「ZR-V」に続き、国内市場では3台目の「●R-V」シリーズとなる。

 WR-Vの車名は、「Winsome Runabout Vehicle」の頭文字を組み合わせたもの。Winsomeとは「魅力的な〜」とか「愛嬌のある」という意味であり、つまりWR-Vはユーザーにとって親しみやすい、身近な存在のSUVであるということだ。実際、WR-Vの車両価格は209万8800〜248万9300円に抑えられており、車両寸法的にはほぼ同じサイズのヴェゼルに比べてお買い得感が高い設定となっている。

 そんなWR-Vは、すでに別記事でも紹介しているとおり、インドにて生産され日本市場へ導入される輸入車で、現地では「エレベイト」の車名で販売されている。ホンダに限らず、同じ車両でも販売される国や地域によって車名を変更するというのは珍しくないが、今回、日本国内で「WR-V」を名乗ることとなった理由をホンダ関係者に尋ねてみたところ、「日本国内におけるホンダ製SUVのイメージは、●R-Vで定着しているから」という答えが返ってきた。

 つまり、新規の車名であるエレベイトよりも、●R-Vシリーズの一員としたほうがクルマのキャラクターが伝わりやすいということだが、そうなるとヴェゼルの初代モデルが「ヴェゼル」を名乗って日本国内へ導入された理由がよくわからなくなる。もっとも、WR-Vの車名については、エレベイトの車名で日本国内の商標登録を出願したものの認められず、仕方なく車名の変更に至ったというウワサもあり、実際のところはよくわからない。

 では、そんなホンダの「●R-V」シリーズは、いったい何車種存在するのか? その歴史も含め、あらためて整理して紹介してみよう。

 まず最初に登場したのは、当然ながらCR-Vだ。1990年代に入り、ホンダはそれまで自社の新車ラインアップに存在しなかったミニバンやSUVの市場へ参入するべく、乗用車のシャシーをベースに開発した車両を「クリエイティブ・ムーバー」と名付け、順次発表していた。同シリーズの第一弾が1994年に登場した初代オデッセイで、翌1995年には初代CR-Vが発売されている。

 当初は日本国内専用車だったCR-Vは、海外市場からの要望に応えるかたちで北米をはじめ世界各国・各地域へと輸出され、以降はホンダの四輪事業を支える中核車種となっていく。

 CR-Vに続き、1997年に発売されたのが「HR-V」だ。車名は「Hi-rider Revolutionary Vehicle」の頭文字からとられており、その由来どおり当時のコンパクトカーであるロゴをベースに、車高を上げて大径タイヤを装着したモデルである。

 その生い立ちからも悪路走破性を高めた本格SUVというキャラクターではなく、発売当初は3ドアモデルだけだったこともあり、現在に続く都市型SUVのルーツともいえる存在だった。

 この初代HR-Vは2006年に販売を終了するが、2014年に海外市場向けモデルの車名として復活する。前年の2013年秋に開催された東京モーターショーで発表された初代ヴェゼルは、翌年4月に北米市場向け「HR-V」として発表された。すでに北米市場ではCR-Vは人気モデルとなっていたから、その弟分というイメージを狙ったのだろう。

 10月には欧州仕様、南米仕様と次々に披露され、2016年には韓国ほかアジア地域でも販売が開始されたが、いずれも海外市場ではHR-Vを名乗った。

 CR-VそしてHR-Vと続いたのち、2004年には欧州市場において「FR-V」が発売される。アルファベット順では少し戻ることとなったが、こちらは日本国内では「エディックス」として発売された2列シートミニバン。

※写真はホンダエディックス

 前後列ともに3名乗員とすることで6名定員を可能にした独特なシート配置が話題となった。ともあれ、この時点まで「●R-V」シリーズはSUVというよりも次世代のピープルムーバーを目指していた印象が強い。


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