道路にステッカーを貼り付け! 植木鉢や猫よけのペットボトルを置く! 罰則のある違法行為になる可能性が大だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■「止まれ」などの標識を象った道路に設置するステッカーが販売されている

■公道とされている道路には何かを置いたり書き込むことは法律で禁止されている

■罰則は個人だけでなく法人も対象となり罰金や懲役刑が科される場合がある

道路に落書きなどをしてもいいの?

 道に貼る「止まれ」のステッカーが売られているのをご存じでしょうか? 商品ページを見ると、私有地での危険を防止するために販売されているとのことですが、使い方を間違えると法令違反になるため、使うときには注意しなければなりません。今回は、道路でしてはいけないこととは何なのか、どのような罰則があるのかなどを解説します。

道に貼るステッカーが販売されているが使い方には注意しなければならない

 道に貼る「止まれ」のステッカーは、私有地や店舗の駐車場など、事故の危険性が高い場所での注意喚起を目的として販売されています。クルマを運転する方へ注意を促し、事故を1件でも減らすために「止まれ」のステッカーを貼るのは効果的な方法と言えるかもしれません。しかし、使い方に気をつけなければなりません。あるメーカーの「止まれ」ステッカーの商品ページを見てみると、次のような注意事項が記載されています。

【注意事項】

※公道には使用できません

※常に水が溜まる場所や路面などには使用できません

※表面は滑り止め加工がされておりますが、水分、油分が付着している場合や、経年劣化により滑る場合がございます

 この注意事項からもわかるように、公道で使用することはできません。勝手に公道に「止まれ」のステッカーを貼ってしまうと道路交通法違反になってしまいます。

 では、公道(道路)でしてはいけないことについて、道路交通法にはどのように規定されているのでしょうか。

道路でしてはいけないこととは?

 道路交通法第76条「禁止行為」では、道路でしてはいけないことについて定められています。

【道路交通法第76条「禁止行為」より】

1)何人も、信号機もしくは道路標識等またはこれらに類似する工作物もしくは物件をみだりに設置してはならない。

2)何人も、信号機または道路標識等の効用を妨げるような工作物または物件を設置してはならない。

3)何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。

4)何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。

4-1.道路において、酒に酔って交通の妨害となるような程度にふらつくこと。

4-2.道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、または立ちどまっていること。

4-3.交通の頻繁な道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、またはこれらに類する行為をすること。

4-4.石、ガラスびん、金属片その他道路上の人もしくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、または発射すること。

4-5.前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。

4-6.道路において進行中の自動車、トロリーバスまたは路面電車に飛び乗り、もしくはこれらから飛び降り、またはこれらに外からつかまること。

4-7.前各号に掲げるもののほか、道路または交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、または著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為

 法律の文章であるため解読が難しい部分があります。これらをわかりやすく表現したものが「交通の方法に関する教則」に記載されています。

【交通の方法に関する教則「道路でしてはいけないことなど」より】

1)道路上で次のような危険なことをしてはいけません。

(1)酒に酔ってふらついたり、立ち話をしたり、座ったり、寝そべったりするなど、交通の妨げとなること。

(2)交通量の多いところでキャッチボールやローラースケートなどをすること。

(3)道路に向けて物を投げたり、発射したりすること。

(4)道路を壊したり、汚水、ごみ、くぎ、ガラス片などをまいたり、捨てたりすること。

(5)車からたばこの吸い殻、紙くず、空きかんなどを投げ捨てたり、体や物を外に出したりすること。

(6)走っている車や路面電車に外からつかまること。

(7)運転者の目をくらませるような光を道路に向けること。

(8)凍り付くおそれのあるときに水をまくこと。

2)道路上に商品などを陳列したり、土砂、材木など交通の妨げになる物を置いたりしてはいけません。

3)信号や標識・標示がよく見えないと非常に危険です。信号機の近くに信号と似た色のネオンサインを設けたり、標識の近くに広告看板を設けたり、また、信号機や標識・標示を勝手に操作したり、移したり、壊したりしてはいけません。

4)免許を持たない人や酒気を帯びた人に運転を頼んだりしてはいけません。また、運転者に先を急がせたり、運転の邪魔になる行為をしないようにしましよう。

5)これから車を運転しようとする人に酒を出したり、勧めたりしてはいけません。

6)運転者に、過積載(積載物の重量の制限を超えて物を積むことをいいます。)をして車を運転することを求めたり、過積載となるような物を売り渡したり、引き渡したりしてはいけません。

 このようなことからも、公道に「止まれ」ステッカーを貼るのは禁止行為であることがわかります。また、植木鉢や猫除けのペットボトル、いけず石など、交通の妨げになるものを置くのも禁止です。さらに、チョークやスプレーなどで道路に落書きをして標識や標示を見づらくしたり、標識・標示を変えるのも禁止行為にあたります。

 これらの禁止行為は、道路を利用する人すべてが守らなければなりません。そのため、「子どものいたずらだから」という理由で、許される行為ではないのです。


齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

愛車
A4 35 TDI
趣味
ドライブ・洗車・音楽鑑賞・楽器演奏
好きな有名人
BLUE MAN

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