運転がめちゃくちゃ難しそうだけどじつは「けん引免許」不要! 旅客輸送の抱える問題を「連節バス」なら解決できる (1/2ページ)

この記事をまとめると

■連節バスとは車体が2台以上つながっているバスを指す

■車種・仕様にもよるが110~190名ほどの定員設定が可能

■連節バスの構造やメリットについて解説する

始まりはいすゞのツインバス!

 連節バスとは、車体が2台以上つながっているバスのこと。その歴史は古く、1950年にいすゞ自動車が実用化している。このとき車両は、既存のバスをベースにシャシーを改造して製作されたもの(全長11mなので、12mを限界とする道路交通法には抵触しない)。基になったバスの後ろに、別の車体の後方部分を合体させた構造になっていた。

 連結部分は幌で覆われていたが、現在の連節バスのようにそこが折れ曲がる構造にはなっていないかったため、曲がる際には大まわりをする必要があった。乗車定員が増えるというメリットはあったものの、小まわりが利かないので走れる場所が少ないなどの欠点があり、普及には至っていない。

 日本で連節バスが注目されるようになったのは、1985年に茨城県つくば市で開かれた「科学万博つくば ’85」において、最寄り駅とのアクセス交通として活躍したことがきっかけだ。会期終了後、一部が成田空港などで運用されて国内の認知度向上に貢献した。

 それまで、路線バスや観光バスとして本格的に運用されていなかったのは、連節バス(全長18m)が道路交通法上の車両全長限界規定に抵触したからである。つくば万博開催時は特例認可が下りていたからであり、空港場内は公道ではないために運行が可能だったのだ。

 本格的な運用が始まったのは、1998年に京成バスが千葉市幕張地区において、定期路線投入を行ってからだ。法改正を行ったのではなく、条件が整っている路線に限って、つくば万博時と同様に特例認可という形式をとったのである。

 現在は、横浜市営交通/新潟交通/JRバス/奈良交通/三重交通/西鉄グループなど、全国各地で運用されるまでになった。


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