かつては「4つのタイヤに盛り塩」「納車にくる方角の指定」なんて験担ぎもあった新車販売現場! ただしいまでも「晴天時納車」だけは重要だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新車の販売現場では「験を担ぐ」習慣がいまだに残っている

■「晴れの日の納車」や「大安納車」の人気が高い

■納車時はトラブルを避けるために、天気がいい日に屋外で傷の確認をすることがオススメだ

納車時は天気を気にするべし!

 令和の世の中になっても新車販売の世界では「験を担ぐ」ことがいまだに残っている。「大安納車」がそのいい例といえるだろう。暦のうえでの大安吉日が土曜日や日曜日に重なれば、セールスマンによってはほぼ終日、納車業務に追われることもあるとのこと。

 以前はお客の自宅など指定先へ新車を持ち込んでの納車も多かったのだが、いまや店頭での納車が当たり前となったので、少しは負担が軽くなったようにも感じるが、本来の事務的なものに加えてセレモニー的なメニューが納車時には増えているので、セールスマンの負担はそんなに軽減されているようにも見えない。

 また、お客の自宅などへの納車がメインのころは、「●●通りを通ってきてほしい」とか、「北西の方角からきて」といった要望や、納車時にタイヤの四隅に盛り塩をするなど、まさに儀式的なことが行われることもあったようだが、いまはそのようなことはかなり限定的なものとなっているようである。

 験を担ぐこと以外に自動車購入では、「お天気」というものも重視されている。「そんなことは日本だけなのでは?」と思いきや、世界的にも有名な某ケーブルチャンネルにて、過去の名車を格安で購入したあと見事にレストアして転売するというイギリスの番組があるが、この番組内で「本来は雨の日は中古車を買うなと言われていますが……」といったセリフが、雨の日に過去の名車を買い付けに行くときには決まったように入ってくるので、世界的にもその傾向があるのだと筆者は感じている。

 新車購入における天気との関係でまず挙げられるのは下取り査定。セールスマン側からみると、基本的に夜間の査定は行わないし、雨の日も避けたいというのが一般的認識とも聞いている。夜間や雨天時に査定を強く希望してくるときには、もちろん断るということはないものの、その当該車に何かあるな(訳あり)ということを前提に査定を行うので、算出される査定額も思い切ったものにはせずに、リスクヘッジ(つまり抑えめ)したものになることが多いとも聞いている。

 夜間や雨天も含む荒天時は外装の傷などのマイナスポイントを見落とす可能性が高いのである。つまり、かけ値なしの下取り査定額というものを期待するならば、夜間や荒天時を避けたほうがより期待に沿える査定額が算出されやすくなるのである。

 とはいうものの、いまどきの新車ディーラーでは、セールスマンがお客の自宅などを訪れることはまずないし、多くの店舗では午後6〜7時ぐらいには営業終了となるので、真冬でもない限りは夜間に下取り査定を行うというシチュエーションはまず存在しなくなっている。

 セールスマンとしては晴天でしかも太陽が真上にある昼どきの査定がとくに外装の傷などの確認をするうえではベストと思っているので、下取り車のある新車購入商談ならば晴天の昼時はベストともいえるかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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