日本車離れした存在感に改めて感動! カワイイだけじゃない日産エスカルゴの名商用車っぷり (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産のパイクカーシリーズのなかで唯一の商用車だったのがエスカルゴ

■車名が表しているとおり「カタツムリ」のようなスタイリングで愛嬌があった

■2年間の受注生産だったので中古車は台数が少なく希少価値がある

斬新でキュートなスタイルの商用パイクカー

 1980年代から1990年代にかけて、日産は遊び心満載のパイクカーシリーズで一世を風靡。その第一弾が、1987年に発売されたBe-1だった。1985年の東京モーターショーで初披露されて以来、話題が話題を呼び、限定1万台の抽選販売。東京・青山にBe-1ショップがオープンするなど、大いに盛り上がった、初代マーチをベースに仕立てられたノスタルジックモダンをテーマにしたパイクカーだった。

 その後もパイクカーシリーズは攻勢を強め、1989年にはレトロアドベンチャーがテーマのPAO、そして同年、初代パルサーのプラットフォームを用いた、いまとなってはパイクカーシリーズ唯一の商用車となるS-CARGO(エスカルゴ)を同時発売させている。

 今回はその後に続くフィガロ、ラシーンを横に置き、名前も姿も洒落が効いてるエスカルゴについて振り返ってみたい。

 コマーシャルカーと呼んでいいフルゴネットタイプのバンであるエスカルゴは、カタツムリをイメージさせるエクステリアデザインが特徴で、全長3480×全幅1595×全高1860mm、ホイールベース2260mmの、コンパクトながら車高の高い、カタツムリのような愛らしいプロポーションを持っていた。

 そしてこれまたカタツムリのように飛び出た愛嬌ある2灯ヘッドライト、フロントホイールハウスからキャビン部分までをアーチで表現した独創的なサイドデザイン、荷物の積載性にこだわった背が高く、ラッピングがしやすいカーゴ(荷室)部分のデザインなど、どこから見てもじつにシャレていたのである。

 最大積載量300kgのカーゴ部分の基本は、サイド部分がラッピングに配慮した大面積の1枚パネルでウインドウはなかったものの、スタンダードルーフのほか、キャンバストップも選べ、さらにクォーターウインドウ付きのモデルも用意されていた。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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