この記事をまとめると
■2023年にケン・オクヤマ・デザインが「コード61バードケージ」を発表した
■コード61バードケージは、2005年に発表された「バードケージ75th」を進化させたワンオフモデル
■スペックが明かされていないコード61バードケージだが、FRトランスアクスルレイアウトであることだけが発表されている
ピニンファリーナでフェラーリもマセラティも手がけた奥山清行氏
ヨーロッパでもっとも高い格式と伝統を誇るともいわれる「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」。毎年イタリアのコモ湖畔にあるヴィラ・デステをメイン会場に開催されるこのコンクール・デレガンスでは、クラシックカーマニアを唸らせる至高のモデルの姿を見ることができるが、同時にコンセプトカークラスとしてエントリーする自動車メーカーやカロッツェリアが誇る最新のモデルもまた、大きな見どころとなっている。
2023年に、このコンセプトカークラスで日本のカロッツェリアとしては初めて、その最新モデルを世界初披露したのが、デザイナーの奥山清行氏が率いるケン・オクヤマ・デザイン(KOD)だ。
奥山氏は、アメリカのゼネラルモータースではチーフデザイナーを、またポルシェではシニアデザイナーとして多くの作品を残したあと、1995年にイタリアの名門カロッツェリア、ピニンファリーナへと入社。1998年にはチーフデザイナーに抜擢され、フェラーリのエンツォや612スカリエッティなどのモデルを、2006年に退職するまでの間に残している。
その奥山氏が、ピニンファリーナ時代にもうひとつ携わった有名な作品が、マセラティが1959年から1961年にかけて、ル・マン24時間などを含むスポーツカーレースに参戦するプライベーターのために製作、販売したティーポ60/61。その緻密なフレーム構造から通称バードケージと呼ばれたモデルの現代版コンセプトカーでもあり、またピニンファリーナの創立75周年を記念したアニバーサリーモデルでもあった2005年発表の「バードケージ75th」だった。
あのマセラティMC12のカーボンファイバー製モノコックを使用し、710馬力の最高出力を誇るやはりマセラティ製V型12気筒エンジンをミッドシップ。ドアを兼ねるバブルキャノピーを採用するなどの斬新なアイディアで大きな話題を呼んだことは記憶に新しいところだ。