いまはデジタルツール全盛だが……かつて稼げるタクシー運転士が守っていた5つの掟とは? (2/2ページ)

何が起こっているか・どこにいるかを考えて行動すべし

掟4:鉄道・航空機の運行状況に注目

 最終便の時間帯に気象の悪化などで飛行機が相次いで遅延となり、真夜中に都市部の空港に相次いで着陸したとする。そうなると、すでに公共交通機関の運行は終了となるので、唯一の移動手段はタクシーとなる。また、信号機故障などで電車が止まれば、運行停止区間の各駅には電車に代わる移動手段としてタクシーの利用が多くなる。

 深夜に続々遅延した飛行機が着陸し混乱したような状況となれば、無線やいまなら車載端末などで空港へ向かうように指示が出たりするが、鉄道が部分的に運行停止になるような程度ではラジオなどの情報に頼るしかない。とりあえず運行停止区間の駅でもより多くの乗降客のある駅に向かうということも目立つようである。

掟5:知らないところに連れていかれたら

 お客次第ということもあるのだが、普段はあまり近寄らない場所へ「飛ばされる」といういい方もあるようだが、お客を乗せていくことがある。そんなときはお客を降ろしたあとに、どの通りを使っていつも流している場所へ戻るのか考えるように指導されたそうだ。

 いくつかのコースのなかで、地下鉄が地下に走っていない通りなど、より帰る途中にタクシーに乗りたいひとがいそうなルートを選んで帰るということになる。

 新型コロナウイルス感染拡大のとき、多くの運転士が離職し、その後に再び戻ることはなかった。そのため、いま全体の半分程度はコロナ禍前の根性論やキャリアを積むしかないというタクシーでの稼ぎ方ではなく、スマホアプリ配車ベースの稼ぎ方をする新世代の運転士がハンドルを握っているともいわれている。

 長いキャリアを経てどのように稼いできたかより、経験に関係なくデジタルツールを使いこなしている運転士のほうが、仲間からも注目されるようになったというような話も聞いている。都市部に限ればタクシーという仕事はデジタルツールの普及で大きく変わろうとしているのである。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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