いまはデジタルツール全盛だが……かつて稼げるタクシー運転士が守っていた5つの掟とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■かつては稼げる運転士になるためのタクシー運転の「掟」というものがあった

■基本は左折を繰り返して右折しない・バックしない

■現在はタクシー運転の「掟」よりもいかにデジタルツールを使いこなせるかが重要

稼げる運転士になるためには経験が必要だった

 スマホアプリ配車の普及により、それほど経験を積まなくても稼げるようになり、年収1000万円も都市部では目立ってきて、あくまで地域は限定されるものの、稼げる仕事に大化けしたとされるのがタクシー運転士。ただしこれは、経験に基づいた「この時間ならあそこへ行けばお客がいる」といった無駄のない動きができるベテランで、さらにスマホアプリ配車も積極的に使いこなすというハイブリッド運行ができる運転士限っているとの話も聞いている。

 スマホアプリが登場するまで、稼げる運転士になるための根性論がまかりとおっていたころのタクシー運転の「掟」をいくつか紹介していこう。

掟1:左折をこころがけろ

 たとえば次の交差点を右折しようと思っても(あくまで空車のとき)、いったんそのまま交差点を通過し、次の交差点を左折し、さらに左折を繰り返すことで、右折して進入したかった通りに入りなさいということ。

 交差点の角にはタクシーを待っているひとがいる確率が高い。右折では十分確認できずに通り過ぎてしまうこともあるが、左折では見落とすリスクが少ないことからきているようであった。

掟2:バックはするな

 これも「右折するな」と近いニュアンスでいわれていたようである。まずタクシーはバック時の事故が多いということ。方向転換などでも脇道に頭を突っ込んでバックして方向を変えるタクシーを見かけたひとも多いかもしれない。

 もちろん実車中(お客を乗せているとき)は無駄な行為はご法度なのだが、空車の時は「右折の代わりに左折を繰り返す」という理論と同じく、たとえば左折を繰り返すことで結果的に方向転換するということを心がけろということのようである。

掟3:おいしい思いは二度とない

 たまたま流していると手があがったので乗せると、万収(万円単位の料金となる長距離利用客)のお客だった。以後、そのお客を乗せた時間になると同じ場所を流してしまう運転士が多いと聞いたことがある。確かに筆者も万円単位となる都心から自宅へタクシーで帰るときには必ずといっていいほど「どのくらいの頻度で自宅までタクシー使いますか」とか「利用する日は決まっていますか」などと運転士からよく聞かれることがある。

 毎日のように同じ時間帯に同じ場所から乗るというひともいるが、そのようなときは、同じ界隈を流すタクシー同士で奪い合いになったといった話も聞いている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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