イマドキのトヨタ顔の11代目カムリ! 押しの強い「ハンマーヘッドフェイス」はアジアで人気急上昇中だった

この記事をまとめると

■タイ・バンコクで定点観測をしているとトヨタ・カムリを見かけるようになった

■東南アジアの人はハンマーヘッドのような押しの強い顔つきが大好き

■ライドシェアアプリではBYDのBEVとなるシールがマッチングするようになった

バンコクのダウンタウンで恒例の定点観測

 東南アジア地域でもクロスオーバーSUVの人気は高い。コンパクトなものからフルサイズまで、とにかくクロスオーバーSUVがメイン販売車種となっており、実用面でのニーズも高いと聞いている。その証拠に、バンコクで定点観測していると、タクシーでもトヨタ・フォーチュナーといった腰高SUV車も存在するようになってきた。

 それでも、タクシー車両はトヨタ・カローラクラスのサイズのセダンやステーションワゴンがメインとなっている。トヨタ・カムリやホンダ・アコードといったカローラクラスより大きいサイズのセダンは、見た感じでは法人ユース(幹部社員移動用)や、ライドシェアでのプレミアムクラス車両など業務用として使われているように見える。

 2025年3月下旬にバンコクのいつもの定点観測ポイントで通り過ぎるクルマをチェックしていると、あるクルマの存在が目立っていた、それが現行型のトヨタ・カムリである。

 “セリカ4ドア”として1980年に初代がデビューしたのがカムリ。初代がFR(後輪駆動)だったのに対し、2代目からはFF(前輪駆動)方式となり、3代目、4代目となるにつれトヨタを代表するグローバルモデルとしての頭角をあらわすようになった。

 2023年にアメリカでワールドデビューした現行11代目は、残念ながら日本国内ではラインアップされていないが、東南アジアでも各国で順調に市場投入されてきている。その11代目カムリを今回、頻繁に定点観測で見かけるようになったのである。あくまで筆者の肌感覚となるものの、先代モデルよりは目立って多く見かける印象を受けている。

 そのように見える背景は、ハンマーヘッドと呼ばれるフロントフェイスを採用したことが大きいように見える。11代目では世界的にもハイブリッドユニットのみを搭載するようになっていることもイメージをあげているのかもしれない。

 タイに限らず東南アジアの人は、ハンマーヘッドのような押しの強い顔つきが大好きと聞いている。しかも、このサイズのセダンで日系以外といえば、メルセデス・ベンツやBMW、アウディとなるので、プレミアムブランドではない実用量販モデルでのサイズの大きいセダンとなると、事実上カムリかアコードに限られてしまい、その2車のうちとくにカムリの人気が現状では高まっているようである。

 タイでは中間所得層あたりまではクルマの複数保有は珍しくない。富裕層に限れば当たり前となっている。そのため、道路冠水時の移動用にクロスオーバーSUV、メイン車としてアルファード、そしてセダンタイプとしてカムリ(タイでの価格は約619万円から)も用意するといったシチュエーションはイメージできるし、法人の幹部用車両としては、メルセデス・ベンツなどより手ごろであり、ストロングハイブリッドなのでイメージもいいということで選ばれているのかもしれない。

 ところが気になるトレンドがもうひとつある。それはライドシェアアプリで中国BYDオート(比亜迪汽車)のセダンタイプBEV(バッテリー電気自動車)となるシールがマッチングするようになったのである。しかもプレミアムといった選択ではなく、一般的なレートでマッチングを試みてもシールとマッチングするのでだ。ちなみにカムリクラスとまではいえないのだが、中国MG(上海汽車系)のICE(内燃機関)セダンとなるMG5の新車とマッチングしたこともあった。

 一般的なレートでシールに乗ると、カローラ・アルティス(カローラセダン)もかなり質感は高いのだが、やはりワンクラス以上格上イメージも感じてしまう。ただ、個人的にはやたらとタクシーやライドシェア向けに供給しなくて、ほどよい台数を供給し実際に後席であっても乗車してもらうことは販売促進上もありではないかと考えている。

 地味なセダンに見られがちなカムリであったが、ハンマーヘッドフェイスの採用は、少なくともバンコクで見ている限りは東南アジアでは成功につながっているように見えた。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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