弱い人には地獄の車酔い! 発生メカニズムと抑制できる飲食物とは? (2/2ページ)

飲み物や食べ物で車酔いを抑えることができるのか?

 車酔いが起きてしまったときの対処方法としては、外(遠く)を見る、クルマを止めて休む、外に出て身体を動かすなどいろいろありますが、飲み物や食べ物でも効果があるという説もしばしば聞かれます。効くという飲み物や食べ物それぞれにどんな効果があるといわれているのか、見ていきましょう。

●ミントガム

 ミントガムが車酔いに効果があるということは医学的に認められているそうです。ミントの爽快な刺激が効きそうなイメージはありますが、これは症状を抑えてくれるというより、乗る前に噛んで車酔いを防止する効果が高いということが実験で確認されたとのことです。

 そのメカニズムはハッキリと解明されてはいないようですが、ミントの爽やかな刺激が自律神経に作用して、胃腸や循環器のコントロールを保ってくれるという点と、ガムを噛むことで規則的なリズムが生まれるので、その刺激も自律神経にいい効果を与えているのではないかということのようです。

●梅干し

 昭和の時代の車酔い対策の代表のひとつがこの梅干しでしょう。遠足や遠出のときに梅干しをリュックに忍ばせていた子はかなりいたと思いますし、梅干しを練り込んだタブレットを引率の先生が常備しているという例も少なくありませんでした。あるいは「へそに貼ると酔いが治まる」なんていう話も聞いたことがあります。

 いまでは車酔いに効く食べ物としての認知度は以前ほどはなくなってしまったようですが、まだまだその効果を信じている人は少なくないでしょう。

 その効果としては、まずその酸っぱさの源である「クエン酸」が唾液の分泌をうながすことで、自律神経の混乱を抑えるとともに、胃や口内の不快感を引き下げてくれるという点が挙げられます。また、梅干しにわずかに含まれる「ピクリン酸」が平衡感覚の混乱を戻してくれる効果があるという研究結果も存在するようです。

●キャンディやチョコ

 キャンディやチョコ、ガムなどに多く含まれている糖分の摂取によって血糖値が上がって、脳の働きを活発にさせるという効果があるそうです。

 脳が活発になれば処理能力が高まるため、感覚器官や自律神経の混乱を抑える効果が期待できるという説があるようです。

●ハーブティー・生姜飲料・柑橘系飲料など

 車酔いになると、自律神経の混乱から唾液の分泌不足や胃の不快感などの症状が引き起こされ、ムカムカしたり吐き気を催したりします。その症状に対して効果があるといわれているのが、ハーブティー・柑橘系・生姜系などの清涼感や爽快感のある飲料です。

 ハーブティーのなかでも、ペパーミントティーは飲むことで消化器系がスッキリ感じられるようになるので、吐き気を抑えてくれる効果が期待できるとのことです。オレンジなど柑橘系の飲料も同様の効果が期待できますし、酸味が胃液の分泌をうながし、梅干しと同様の効果が得られそうです。また、生姜に含まれる成分は自律神経に作用して吐き気を抑えてくれる効果があるという説もあります。

 などなど、ここで挙げたもの以外でも乗り物酔いに効くといわれる飲み物や食べ物はいろいろあります。そのどれもにいえることですが、それぞれ食品のもつ効果はいろいろで、人それぞれで体質も違いますし、車酔いの症状もさまざまなので、これが必ず効くという決定版的なものはないといっていいでしょう。

 車酔いにもっとも効果があるのは、自律神経やストレス面など、身体や精神の状態をを整えておくことです。長距離ドライブの前には、運転者以外の人もしっかり睡眠をとって、食べ過ぎや空腹になることも避けて乗車するようにしてください。


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往 機人 OU AYATO

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