この記事をまとめると
■5月10・11日に「Formula Gymkhana」2025シーズンが開幕した
■2025シーズンから競技車両がヴィッツGRMNからGR86に変更された
■AT仕様のGR86が競技車両となったことで面白さと戦略性も生まれた
「Formula Gymkhana」のニューマシンはGR86
いよいよ開幕した「Formula Gymkhana(フォーミュラジムカーナ)」2025シーズン。今年で3シーズン目を迎えるが、今シーズンよりいくつか大きな変更が行われている。そのなかでももっとも大きな変更となったのが、競技車両がヴィッツGRMNからGR86に変更となったことだ。しかも競技車両のGR86の変速機はATのみ。
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このようなドラスティックな変更をしたのは、果たしてどのような狙いからだろうか。参加大学にマシンを貸与するトヨタ自動車GAZOO Racing GRモータースポーツ事業部エントリーモータースポーツグループ長の大橋貴志さんにその理由を聴いた。
トヨタ自動車GAZOO Racing GRモータースポーツ事業部の大橋貴志さん画像はこちら
「社会全体でオートマ限定の人が多くなっているなかで、自動車部だから全員がMTを使えるはずだ、と決めつけるのではなく、競技の裾野を広げる意味でもATの86を採用しました。また、ATの開発にも力を入れており、競技車両としてそのパフォーマンスを披露することで、ATの走行性能や可能性を学生にも体感してもらいたいと考えました」
VFCのON/OFFなど新たな戦略性も生まれた
練習走行が行われたRd.1の初日は雨。ウェット路面でGR86を走らせた学生からは、どのようなフィードバックがあったのだろうか。
「Formula Gymkhana」のGR86走行シーン画像はこちら
「『VFC』(横滑り防止)のON/OFFを自由に選べることで選択肢が増えたという声をいただきました。大切なのは『限界を正しく理解し、操る』ことです。初見でどちらとも試してみて、自分に合った方を選ぶのが一番ですね」
同様にパドルシフトの使用も参加者に選択権がある。ただしサイドブレーキの使用はレギュレーションで禁止されている。
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「Formula Gymkhana」用に投入された協賛企業のパーツ
学生に貸与されるGR86には、BRIDEのフルバケットシート、Weds Sportsのホイール、レース用タイヤ(Rd.1ではダンロップの「DIREZZA ZIII CUP」)およびRS★Rの専用サスペンションが装着されている。
「Formula Gymkhana」専用のRS★R製サスペンション画像はこちら
「学生にとって違和感のない、バランスの取れたセッティングになっていると思います。万人向けという言い方は適切ではないかもしれませんが、扱いやすさとスポーツ走行の両立が図られています。タイヤとのマッチング次第ではさらに印象が変わる可能性はありますが、第一印象としては概ね好評でした」
今後の鍵はエンターテインメント性⁉︎
シリーズを重ねるごとに参加大学と協賛企業が増え、認知度も高まっている「Formula Gymkhana」だが、トヨタGAZOO Racingとしてはどのような展開を考えているのだろうか。
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「今後は甲子園や大学駅伝のように『観客が見に来たくなる』イベントにしていけたらと思います。学生チームだけでなく観客や協賛企業を巻き込むことで、多様なバックグラウンドを持つ学生にクルマ業界との接点や就職マッチングの機会を提供できるよう、イベント全体の魅力をさらに高めていきたいですね!」