中国ではちょっとサイズアップした小微型車が人気
また、ウーリンではスズキ・アルトやダイハツ・ミライースのような宏光EV 4ドア版というモデルもラインアップしている。こちらのボディサイズは全長3256×全幅1510×全高1578mmなので、日本の軽自動車規格にさらに近づいている。
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スズキ・ジムニーにインスパイアされているのか、ジムニー的モデル(あるいはハスラーか)も目立っていた。吉利汽車の熊猫 騎士(パンダナイト)のボディサイズは全長3065×全幅1522×全高1600mmとなっている。
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地元メディアによると、2023年あたりからA00ではなくA0級の小微型車が人気になってきているとのこと。韓国ではステイタスを誇示するために大きいクルマを好んで乗る傾向にあるのだが、ここのところは景気低迷が続き軽車が注目されている。
中国も報道を見たり、実際に今回の上海の街なかを歩いていると、経済はけっしていいとは思えない印象を受けるので、小微型車に流れているのかもしれない。ただ街なかには大きなクルマも目立っているので、二極化が進んでいるのかもしれない(もしくは沿岸部と内陸部のような地域差が出ているのかもしれない)。
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つまり、今後BYDが日本市場に日本の軽自動車規格BEVを導入して一定の成功を納めれば、それに続けと相次いで日本市場へ参入体制がとれる中国メーカーが存在しているように見える。メーカー自体ではなくとも、日本の商社は現状でも中国メーカーのBEVバスやBEV商用車の輸入販売にかなりご執心とも聞いている。商社ルートで中国から日本の軽自動車規格に合わせた中国製BEVが大挙して押しかけるというのもまるっきり絵空事ともいえない状況になっているように見える。
ある家電量販店は、オール電化住宅、そして家電製品、さらにはBEVまでワンストップでそろえることができることをすでにアピールしている。残念ながら発想の柔軟性では中国のひとのほうが一枚上手であるし、新車販売総台数の4割に迫ろうとする日本の軽自動車の販売状況を見れば、中国メーカーも興味を示さないわけはない。
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また、東南アジアのような新興国だけではなく、先進国でも日本の軽自動車の優秀性が注目され、日本から個人輸入して所有するということはそれほど珍しくなくなっている。とくに軽トラックは世界的に高い評価を得ているしBEVに馴染みやすいとも聞いている。N-BOXとスペーシアを海外で地元のひとが比較試乗する動画などもアップされているぐらい、いま世界で日本の軽自動車が注目されているのは間違いない。
中国メーカーのなかには小微型車を新たなグローバル戦略モデルとして位置づけようとしているのではないかともショー会場で思わず深読みしてしまった。