この記事をまとめると
■いまだ1ケタナンバーや2ケタナンバーをつけているクルマがある
■全国でクルマのナンバーが3ケタになったのはもう25年以上も前のこと
■ナンバーも含めてクルマが受け継がれている場合が多々ある
増えることはない1ケタナンバーや2ケタナンバー
クルマのイベント会場や街なかでときどき見かける2ケタナンバー。さらにレアな1ケタナンバーを見かけるとさすがに驚きます(縁起がいいと思うのは筆者だけでしょうか?)。
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わかる人にはわかる。わからない人にはわからない。減ることはあっても増えることはない。1ケタナンバー、2ケタナンバーが珍重されている理由について考察していみました。
●再交付を除いて新規に発行されないナンバーだから
全国でクルマのナンバーが3ケタ&希望ナンバー制になったのは1999年5月14日のこと。もう25年以上も前です。一部の地域(札幌・岩手・宮城・大宮・千葉・品川・横浜・湘南・新潟・富山・静岡・浜松・沼津・名古屋・豊橋・三河・尾張小牧・大阪・神戸・奈良・岡山・広島・福山・愛媛・福岡・沖縄)では1998年5月19日から先行して施行されていたので、いまだに1ケタ、あるいは2ケタナンバーのクルマがいかに貴重な存在であることがわかります。
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ひとつのナンバーを25年以上も使っていれば、汚れもするし、傷もつきます。そこで2ケタナンバーであれば、条件を満たせば再交付してくれるので、最寄りの陸運局に問い合わせてもいいかもしれません(ただ、ピカピカのナンバーより”当時モノ”にシンパシーを感じる人が多いように感じるのは気のせいではないはず)。
●そのクルマの歴史の一部だから
現在も1ケタまたは2ケタナンバーのままということは、新車登録時からそのまま取り付けられていることを意味します。オーナーやその家族とともに日本各地をめぐり、ときには風雨にさらされ、洗車のときには車体と同じようにワックスを塗られてきたのです。
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祖父母・父母・子どもと、親子3世代で1台のクルマ(同じナンバー)を乗り継いだ方にお会いして取材したこともありますが、「このナンバーを含めて家族で受け継いでいきたい」と語っていたのが印象的です。偶然とはいえ、縁あってつけられたナンバーが、その家族(一族)にとって非常に重要な意味をもつこともあるのです。
●大切にされてきた可能性が高いクルマだから
1台のクルマと長く付き合う。できそうでなかなかできることではありません。ほしいクルマが次々と現れるし、ニューモデルだって正直いって気になる。乗り換えてみたいと思う場面が過去に何度も何度もあったはず。それでも手放さなかったのですから、いかに現在の愛車のことを気に入っているかがわかります。
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もちろん、なかには「手に入れてから1度も乗り換えようと思ったことがない」という方もいます。いずれのオーナーにも共通しているのは「長く乗りたいから大切に扱う。そのためには予防整備も怠らない」という強い意志です。1ケタおよび2ケタナンバーを維持しているクルマを見ると、年式相応に経年劣化はあるものの驚くほど大切に所有されていることが実感できます。誰が見てもきちんと手入れが行き届いていることがわかる個体がじつに多いのです。
●まとめ:売りに出された場合「ナンバー込み」で受け継ぎたい
1ケタおよび2ケタナンバーを維持したクルマでありながら、ごくまれに売りに出されることがあります。最近多いのが「オーナーがご高齢で、運転免許を返上し、区切りとして長年連れ添ってきた愛車を手放す」といったケース。筆者のまわりでも大変お世話になった方が、新車から30年以上連れ添ってきた2ケタナンバーのとあるスポーツカーを手放すこととなり、引き取り手を探しているところです。
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ナンバーくらいどうでもいいじゃんと思うのであれば、こういったクルマを引き受ける資格はないと考えていいでしょう。反対に「ナンバーを込みで引き取りたい」という方にこそ、受け継いで欲しいものです。