「黒ずんでいる」「サラサラになってる」じゃわからない! 意外と間違えてるクルマのエンジンオイルの「劣化」の判断方法 (2/2ページ)

結局はメーカー推奨のサイクルで交換するのが安心

 では、エンジンオイルの傷み具合はどうやって判断するのか。一般的によく知られるチェック方法は、オイルレベルゲージに付着したオイルによってその状態を判断する方法だが、正確なようで案外間違っている場合もあるようだ。チェックの根拠とするのは、オイルの粘度や色だが、では、どの状態がセーフでアウトなのか、この判定が難しい。

 まず、色だが、これは黒く汚れてきた状態を見て判断することになる。では、黒く汚れるということはどういうことなのか? これは、エンジンオイルがエンジン内を循環する際にオイル内に混入した微細な金属粉や燃焼ガスのスス(総じてスラッジという)などで、これらが徐々に蓄積することで黒く汚れていくことになる。

 一方で、エンジンオイルにはこれらの汚れをエンジンオイル内に抱え込み、逃がさぬようにして保持する性質がある。これを清浄分散性といい、黒く汚れる原因としては、オイルポリマーの劣化、燃焼ガスの混入、エンジン内部の汚れが挙げられる。だから、一概にエンジンオイルが黒くなっているからとはいっても、即、劣化が限界を超していることにはならないのである。黒くなっていても、エンジンオイルとしての性能が保たれている場合も多々あるからだ。

 指先にとって粘度のチェックをする方法もある。新品オイルは、ドロッとした粘度をもっているが、劣化したオイルは粘度が失われサラサラとした状態になるからだ。

 判断の方法としては正しいが、これにも注意点がひとつある。現代の省燃費、低公害型のオイルには、粘度規格が「0W」という超低粘度仕様があるからだ。新品状態でもサラサラしているため、粘度だけでオイルの劣化度合いを図るのは正確性を欠く場合があるのだ。粘度でオイルの劣化度合いをチェックする場合には、そのオイルの新品時の粘度と較べる以外になく、この場合、新品でもサラサラのオイルがあることを覚えておいてほしい。

 色、粘度を目安にオイルの傷み具合を判断。その状態によってオイル交換を行うのもひとつの方法だが、結局、自動車メーカーやオイルメーカーが推奨するオイル交換のサイクル(一般的に5000km走行ごとが多い)に従って行うのが無難で間違いのない選択肢といえるだろう。


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