この記事をまとめると
■操作性の向上を目的に導入されたジェスチャーコントロールだが採用例は増えていない
■誤作動や操作の難しさから使わなくなるユーザーが続出しているのが現実
■一方で今後の技術発展とともに普及が進むとする市場予測も注目される
数年前に鳴り物入りで登場したが……
指で輪っかを作って左右に動かしたらオーディオなどの音量が調節できるとか、人差し指を唇に当てて「シーッ」のポーズをしたらミュートをオンにできるとか、すでに家電やAV機器などの多くで採用されている「ジェスチャーコントロール」機能。Androidのスマホを使っている人にも、お馴染みの機能ではないでしょうか。
クルマでも、BMWやスバル、フォルクスワーゲンといった一部のメーカーでは5〜6年前から採用されています。運転中にインパネのスイッチを操作しようとすると、どうしても目線を前方から外す数秒間ができてしまうため、安全運転の観点からも視線移動をすることなく操作できるジェスチャーコントロールは、とても画期的な機能と注目されました。
BMWを例にとって一部のジェスチャーコントロールを紹介すると、ディスプレイに向かって人差し指で円を描くと音量調節。人差し指を前後に動かすと、かかってきた電話に出ることができたり、ポップアップ画面を確定することができます。握手をするような手の形を作り、助手席の方向へ動かすと電話の着信を拒否したり、ポップアップ画面を閉じることができ、指で輪っかを作って左右に動かすと、カメラアングルを回転させることも可能。また、親指で左右に動かせば、音楽のスキップ機能が使えるといった機能があります。
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スバルでは、ドライバーモニタリングシステムのカメラ機能を利用して、運転中にステアリングの近くで手を「パー」の形にすると、エアコンの設定温度が2度上がり、「グー」の形にすると2度下がるというジェスチャーコントロールを採用しています。
そしてホンダ・オデッセイでは、日本初のジェスチャーコントロール・パワースライドドアという珍しい機能が登場。スライドドアの前に立って手をかざし、横に動かすと自動で開閉ができるようになっていました。ただ、最初は注目れたものの、実際のユーザーからのフィードバックで誤作動が多かったり、あまり使わないといった意見が多かったため、マイナーチェンジの際に消滅してしまいました。
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