コロナ禍前は広すぎて回りきれなかった上海モーターショーが……あれ? 中国経済の停滞を感じさせる若干の寂しさ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■北京・上海・広州各都市で開催されるモーターショーはとにかくショー会場が広い

■上海国際モーターショーを1日ですべてを見てまわるのはほぼ不可能といわれている

■上海国際モーターショー2025には未出展の輸入車メーカーも多く中国経済の停滞を感じた

欧州系メーカーが減った上海国際モーターショー

 中国三大自動車ショーとされているのが、北京、上海、広州各都市で開催されるモーターショーとなる。北京と上海は直轄市とされ、天津や重慶とともに最高位の都市とされている。一方、広州市は直轄市よりランクダウンする副省市となるので、あくまで個人的な印象だが、北京や上海のモーターショーに比べ、広州モーターショーは少し庶民的な雰囲気に溢れているように感じている。

 しかし、この3つのショーに共通しているのは、ショー会場がとにかく広いこと。とくに上海はいまの虹橋国際空港に近い国家会展中心(国展)が会場となってから、まさにハンパなく広くなり、1日で完成車と部品展示棟すべてを見てまわるのはほぼ不可能ともいわれている。

 新型コロナウイルス感染拡大などもあり、6年ぶりに「第21回上海国内汽車工業展覧会(上海ショー)」の会場を訪れた(ちなみに上海ショーは隔年開催)。中国のオートショー自体6年ぶりだったので、果たしてまわりきれるのかかなり不安ななか現地を訪れることとなった。

 実際、会場内を歩いてみると、完成車展示棟だけとなるが、1日でそれこそ慌てることなく見てまわることができた。「なぜだろう?」と考えていると、出展メーカー数の少なさに気がついた。コロナ禍前はまさに世界の自動車メーカーが集結しているような出展社数の多さだったのだが、今回は逆に出展していないブランドが目立っていた。

 まずは欧州系が圧倒的に少なかった。シトロエンやプジョー、ルノー、ジャガー&ランドローバーなどのブースが見当たらず、欧州系ブランドといえば、VW(フォルクスワーゲン)系(VW、アウディ、ポルシェ、ベントレー)、メルセデス・ベンツ、BMW、ボルボぐらいであった。アメリカンブランドでもジープが出展していないのは意外であった。日系ではトヨタ(レクサス含む)、日産、ホンダ、マツダしか見かけなかった(スズキ、三菱、ダイハツはそもそも中国市場では展開していない)。

 会場で人気の高かったランボルギーニなどのスーパーカーや超高級車ブランドも軒並み出展していなかった。中国系ブランドでも、かつては内陸に本拠地を置く中小零細メーカーの出展ブースもあったのだが、それも見かけることはできなかった。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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