この記事をまとめると
■ショッピングモールや工事現場にいる警備員には道路を管理する権限がない
■明らかなミス誘導をした場合を除きトラブルが起きた場合は原則ドライバーの責任となる
■警察官に関しては交通整理をする権限をもっているので従う必要がある
警備員のせいで事故が起きたら誰のせい?
ショッピングモールの駐車場や混雑する商業施設の出入り口などにいる警備員や誘導員。交通の流れをスムースにしたり安全を確保するためにクルマや人などを誘導したりしている警備員や誘導員の指示に従って通行したときに交通事故が起きてしまった場合、誰の責任になるのでしょうか。今回は、警備員や誘導員に従ったときに発生した事故の責任について解説します。
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事故を起こしたら運転者の責任になるのが原則
駐車場の出入り口や工事現場などにいる警備員や誘導員は、あくまでも一般人です。そのため、警備員や誘導員の指示に従って交通事故を起こした場合、原則としてクルマを運転している運転者の責任になります。
いい換えると、警備員や誘導員は、警察のような特別な権限が与えられているというわけではないということです。よって、警備員や誘導員の指示は、あくまでも参考程度に留めておき、最終的な判断(クルマを動かすかという判断)は、運転者の責任で行わなければなりません。
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ただし、警備員や誘導員が事故を誘発させるような動きをしたり、誤った誘導をしたりしたことによって交通事故が発生した場合は、警備員や誘導員も事故の責任を問われることがあります。
警備員や誘導員の責任が問われる場合とは?
警備員や誘導員の誘導・指示のミスによって、交通事故を誘発させてしまった場合は、警備員や誘導員もその事故の責任を負わなければなりません。
たとえば、片側交互通行となっている道路工事の現場で、誘導員が誤った交通誘導したり、運転者に誤解を与える動きをしたりしたために交通事故が発生した場合は、交通誘導をしていた誘導員も事故の責任を負う可能性があります。
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この例は、わかりやすい内容としていますが、実際の現場では、行っていいのか? 待つべきなのか? と悩むような動きをする警備員や誘導員もいます。
このような警備員や誘導員にあたってしまった場合は、運転している運転者が自ら安全確認をして、クルマを進めるか止まるか判断しましょう。
警備員や誘導員よりも法律が優先される
ショッピングモールの駐車場や商業施設の周辺、工事現場などにいる警備員や誘導員には、警察のような強い権限はありません。
つまり、警備員や誘導員よりも法律(道路交通法など)や警察のほうが強いということになります。そのため、警備員や誘導員の指示および誘導は、「指示に従ってください」というお願いにすぎないということです。
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一方、警察が行う交通整理は、警察の権限のひとつとなっています。よって、クルマの運転者は、警察が行っている交通整理に従わなければなりません。
警備員・誘導員と警察では、交通誘導に対する権限が異なります。警備員や誘導員の場合は指示に従いつつ自分(運転者)の責任で行動する、警察が行う交通整理では必ず指示に従うと、区別して覚えておきましょう。