エンジニアリング上の事情で5名乗車の軽自動車は生まれない
同様のことは軽自動車でもいえる。4名乗車のモデルを5名乗車にすると車両総重量が55kgほど増えてしまう。ユーザー的には「座れば問題ない」と思うかもしれないが、メーカーはフル乗車・フル積載での走行安定性を考慮する必要がある。
簡単にいえば、ブレーキやサスペンションにコストをかける必要が出てくる。しかし、それは軽自動車の主要な使われ方である1名乗車時には不要な、オーバースペック的なメカニズムとなってしまうことも容易に想像できる。
「5人乗りの軽自動車があったらいいのに!」というユーザーが存在することは否定しないが、軽自動車規格の持続可能性や商品企画としてのバランスなどを考慮すると、軽自動車は最大4人乗りとしておくことが、いまの日本市場においては適切といえそうだ。
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じつは、過去を振り返ると軽自動車(をベースとした登録車)において後席3人がけのクルマもあった。
それが三菱アイミーブをベースとした光岡・雷駆(ライク)で、後席の形状変更と中央席への2点式シートベルト追加によって、乗車定員5名を実現していたのだ。軽自動車のボディで5人乗りを実現した例はある。
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そういえば、中国メーカーのBYDが日本専用に軽EVを開発中だという。もし、後席3人がけの5人乗りのモデルとして生まれたら、ユーザーの認識を変えるゲームチェンジャーとして軽自動車マーケットを大きく揺さぶるかもしれない。