本格ライドシェアが導入されれば軽バンに脚光が当たる
また、前出の関係者は、現状では日本において完全ライドシェアの進出可能性は低いとしながらも、もしサービスが始まったらとして次のように語ってくれた。「プラットフォーマーは、EC(ネットなどの通販)サイトで購入した商品を日々配送している軽自動車商用バン(軽バン)に注目するだろう」と語ってくれた。つまり、ECサイトで購入した商品の配送をしながら、空いた時間で「ひとも運ぶ」ようになるのではないかというのである。
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確かに筆者の自宅周辺でもECサイトで購入した商品を配送している軽バンをよく見かける。現状の軽バンではさすがにひとを運ぶことにはベストとはいえない。配送車両をN-BOXやスペーシア、タントなど乗用タイプでしかも荷物の積載容量の大きい車両にして、配送の合間だけではなく配送が終了してからライドシェアサービスを行うのではないかとも話してくれた。
自宅から近くのスーパーまでなど、高齢とか小さい子どもがいるなどでなかなか近場でも歩いて移動するのがしんどいというひとの利用を細かくキャッチすれば、それはそれでいい稼ぎになりそうである。
インドなど諸外国では、四輪車だけではなくバイクや三輪車も完全ライドシェアアプリで呼ぶことができる。筆者もインドでは距離のある移動は四輪車、ホテル近くのショッピングモールは三輪車と使いわけていた。
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折しも、アメリカで完全ライドシェアを手がける大手プラットフォーマーの幹部が、日本の地方部での高齢者をターゲットとした日常生活の移動手段というニーズに注目していると発言している報道を見た。
近場の移動ならば軽自動車でも十分、そしていまやECサイトで購入した商品を配送するために、昼夜を問わず軽バンは走りまわっている。貨客兼用でコスパも十分にいい。ただ、さまざまな規制が多い日本なので、欧米や新興国なみに完全ライドシェアサービスが利用できるようになるにはまだまだ検討するだけでも相当にハードルが高いことも間違いない事実である。