専用アプリで利便性の向上が図られてはいる
そこで必要となってくるのが、警察庁の【マイナ免許証読み取りアプリ】だ。このアプリを使って運転免許の画像をダウンロードすることで、運転免許証のデータとして利用できるというフローになっている。
レンタカー大手のニッポンレンタカーでも同様の対応となっている。やはり【マイナ免許証読み取りアプリ】を利用して、スマートフォンに運転免許情報を提示、それをスタッフが確認することで、従来からの運転免許証提示と同じ扱いになるという。
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いずれにしても、現時点ではマイナ免許証への切り替えは手間が増えるが、マイナ免許証に切り替えてもカーシェアやレンタカーが利用できなくなるというわけではない。ただし、小規模なレンタカー運営企業などでは、マイナ免許証への対応が難しいというところもあるという。
結論からいえば、カーシェアやレンタカーを利用する機会が多いのであれば、マイナ免許証へ急いで切り替える必要はない。業務の関係でマイナ免許証が必要であっても、従来からの運転免許証との2枚もちを選択するのがベターといえるだろう。
ただし、未来永劫にわたりマイナ免許証が不便であると結論づけることもできない。たとえば、大手金融機関のスマートフォンアプリでは、マイナンバーカードのデータを読み取り、その情報を利用して口座開設できるようになっている。
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利用したことがあればわかるだろうが、運転免許証やマイナンバーカードを指定どおりに撮影して送信するのに比べると、マイナンバーカードのICチップ情報を読み取るだけなので、ほとんど手間がかからない。
現時点ではマイナ免許証で同様の対応をするのは難しいとしても、将来的にマイナンバーカードの免許データをダイレクトに利用できるようになれば、物理的な運転免許証よりもデジタルデータの利便性が増すことは容易に想像できる。同時に新しいセキュリティ課題が出てくるかもしれないが……。
はたして、マイナ免許証に切り替えたくなるようなユーザーメリットが生まれる日はやってくるのだろうか。いずれにしても、導入初期の状況のままということはないだろうから、常に情報をアップデートすることは意識しておくべきだろう。