かつてVW天国だった中国のタクシー! いまや地元メーカーのBEVだらけになっていた!! (2/2ページ)

久しぶりに上陸した中国で見たタクシー

 そして2025年4月、6年ぶりに上海・浦東国際空港に降り立ってタクシー乗り場へ行くと、そこには地元である上海汽車の「栄威(ロエベ)」ブランドのEi5というステーションワゴンスタイルのBEVタクシーばかりであった。この車両は、タイの首都バンコクでは同じ上海汽車系ブランドのMG車となり、ESという車名を名乗っている。そして、バンコクでもタクシーの主力車種になるのではないかと思えるほど、ここのところ増えている。

 中国なので当然のようにタクシーはBEVのみなのかなあと思っていると、一汽トヨタ・カローラのタクシーをパラパラと見かけることができた。また、ジェッタのタクシーも走っていた。ただし、ジェッタといってもVWのラインアップではなく、ルノーにおけるダチアのように、ジェッタというローコストブランドをVWは中国国内に設けており、そのジェッタブランドのセダンがタクシーとして走っていたかたちになる。

 カローラのタクシーは、過去に合弁パートナーである中国一汽の本拠地である天津市では走っていると聞いたことがあるぐらいであった。広汽豊田(広州トヨタ)ではカローラの兄弟車として「レビン」を生産しているのだが、広州市ではこのレビンのタクシーはコロナ禍前よりも多く走っていた。

 ロエベのタクシーも多いが、それだけというわけでもなく、帰国の際に空港まで頼んだタクシーは、中国市場から事実上撤退したとされる韓国・起亜自動車のSUVタイプのBEVであった。上海市内では当然のごとくライドシェアサービスの車両も走っているのだが、こちらは上海GM(ゼネラルモーターズ)のビュイック・ヴェリテ6と、カローラセダンが多いように見受けられた。

 タクシーなどフリートセールスに熱心だったヒョンデや起亜は中国国内の工場売却も行っており、いまさらタクシー車両の供給などはできない様子である。

 ロエベのEi5はデビューしてから10年は経たないものの相当に年月が経過しており、最新BEVに比べればスペックで劣るような部分はあるが、そのぶんお値打ち感は高まっているので、地元上海メーカーということもあり普及が進んでいるようだ。

 今後、広州や北京にも出かける計画を立てているので、コロナ禍以降の中国のタクシー事情をアップデートするのを楽しみにしている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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