この記事をまとめると
■毎年油種の入れ間違いによる故障が全国で発生している
■レギュラー車にハイオクを入れることやその逆はとくに大きなトラブルにならない
■軽油指定のクルマにガソリンを入れたりガソリン指定のクルマに軽油を入れると故障する
ガソリンを入れ間違えた! どうなる?
夏になるとレンタカーやカーシェアリングなどを利用し、自分の愛車以外のクルマに乗る機会も増えてくる。そうしたときに、もし燃料を入れ間違えてしまったときはどうすればいいのか。
・ケース1:レギュラー指定のクルマにハイオクを入れてしまった場合
レギュラーガソリン仕様のクルマにハイオクガソリンを入れたとしても、コスト以外のデメリットはないし問題はない。ハイオクには洗浄剤が配合されているので、エンジン内部がすこ〜し綺麗になることは期待してもいい。ただし、パワーアップや燃費向上、レスポンスアップなどの望みは薄い。
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とはいえ異常は起きないので、そのままガソリンタンクが空になるまで使い切るか、タンクが半分ぐらいになったら、いままで通りレギュラーガソリンを給油してやればOKだ。
・ケース2:ハイオク指定のクルマにレギュラーガソリンを入れてしまった場合
あまり歓迎できることではないが、いまのクルマにはノックセンサーがついていて、ノッキングの兆候を感知したらECUが点火時期を調整し、ノッキングを抑制してくれるので、エンジンが故障するような心配はない。
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とはいえあまりいいことではないので、念のため、急加速、高負荷を避け、ターボ車であればハイブーストがかからないように配慮した運転を心がけ、タンクの3分の1あるいは2分の1までガソリンを消費したら、ハイオクを補給してあげよう。
・ガソリン車に軽油を入れてしまった場合
これは最悪の間違いのひとつ。「軽自動車だから軽油かと思った」というのは、洒落にならない重大なミス。気が付いた時点ですぐに給油をやめて、イグニッションはOFFにしたまま、絶対にエンジンをかけないこと。
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そのあとはガソリンスタンドのスタッフを呼んで相談するか、JAFなどのロードサービスを呼んで、修理工場に連絡し、タンクから燃料を抜き取り、正しい燃料に入れ替えてもらわなければならない。
万が一、そのままエンジンを始動させてしまった場合は、燃料の抜き替え作業に加え、燃料タンクの洗浄、燃料フィルターの交換や燃料配管の洗浄などが必要だ。
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仮に気が付かず、そのまま走り続けたとすると、給油した軽油の量にもよるが、加速が鈍くなり、黒煙を出し、やがてエンジンがストップする……。
・ディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合
これも気が付いた時点ですぐに給油をやめて、イグニッションをOFFにしたまま、絶対にエンジンをかけないこと。燃料ポンプを動かす前なら、燃料を入れ替え、タンクを洗浄することでとりあえず解決する。
ディーゼルエンジン車の給油口画像はこちら
もしそのままエンジンをかけてしまったとすると、白煙が出て、やがてエンジンは止まってしまう。こうなると、燃料噴射ポンプやノズルまで交換しなければならない可能性があるので大ごとだ。
燃料の入れ間違いは、給油口のシールなどを見ることで簡単に確認できるはずなので、わかっているつもりにならず、毎回きちんと確認してから油種を選ぶことを習慣にしておこう。