スライドドア以外も見どころはたくさん
「苦労したところでは、まずはセンターのこのトレーですね。やはりここはできるだけ大きなスペースをとりたい。でも、センターにはエアコンの吹き出し口がありますし、その上にはディスプレイオーディオもあります。このレイアウトでセンタートレーを大きくしてしまうと、全体が上方向に上がっていくことになり、コンセプトのひとつである見晴らしのよさを損ねてしまいます。そこの両立という点でバランスには苦労しました。 断面の角度や形状などを探りながら、できる限り低くできるよう努力したことで、ムーヴキャンバスよりも低く抑えることができました」
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確かに運転席から見える光景は、前面にグラスエリアが広がっている感じ。センターディスプレイもドライバーからの見た目上はダッシュボードよりも低く配置されているように見える。これなら運転の邪魔になることもないだろう。
「あとはシフト下のところになるのですが、ここにフックが付いております。従来であればこのフックは助手席の足元側にあったのですが、荷物をかけたときにグローブボックスの開け閉めで引っかかったり、助手席の足元スペースが狭くなったりといった声をいただいておりました。そこで新型では、補強部品を使わずにパーツの組み合わせで剛性を出しながら、インパネの正面側に移動させています」
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インパネセンター下のショッピングフックは、ちょうど前席乗員の真んなかに位置することになり、ドライバーも助手席の人も、どちらからも届きやすくて使い勝手がよさそう。いままでこの位置になかったことが不思議なくらいだ。
シートの乗り心地やシートアレンジなども気になるところだが、シートに関しては先行発売したムーヴキャンバスと基本骨格を共有しているという。したがって、乗り心地やシートアレンジも同様とのこと。ただし、新型ムーヴのイメージに合わせて表皮は変更しているそうだ。
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そのほかにも、ドアトリムを発泡成形して軽量化に寄与したり、ラゲッジのアンダーフロアボックスを、従来の発泡ボックスから、一部をボディとフロアを利用した仕様(2WDのみ)とすることで容量を大きくしたりと、まだまだいろいろな秘密が隠されていそうだ。
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ユーティリティ面では、スライドドアの採用にばかりスポットが当たる新型ムーヴであるが、もし実車を見る機会があれば、スライドドアだけでなく車内のこういった細かな部分にもぜひ注目いただきたい。これらを含めて新型ムーヴは「利便性を大幅向上」させているのだから。