ひとりのドライバーが常に3時間ずつ走り続ける ──単純計算では1名あたり8時間の走行になると思うんですけど、連続で走行できる時間はどのくらいですか?
平良選手: ルール的には3時間までです。うちのクルマはガソリンを満タンの状態で90分走れるんですけど、ダブルでスティントをこなす予定なので、常に3時間ずつ走ることになりそうです。
ST-2クラス225号車「KTMS GR YARIS」のピットイン 画像はこちら
──3時間はキツくないですか? 正直、もうひとり、ドライバーを増やしてほしい……みたいな気もちはないですか?
平良選手: 3時間の連続走行はきついですよ。でも、そのぶん、たくさんの時間を走れるし、走行すれば走行するほどドライビングが上手になりますしね。
──おお! むちゃくちゃポジティブですね!
平良選手: WECのル・マン24時間レースも3名で走っているじゃないですか。 海外では3名で24時間レースを走ることは珍しくないので、僕たちもその感覚で走りたいと思います。
このようにKTMSの3名のドライバーに悲壮感はなく、やる気が十分。実際、6番手グリッドからスタートした225号車「KTMS GR YARIS」は素晴らしい追い上げを披露していた。残念ながら、レース終盤でトラブルが発生し、ピットイン。それでもレースに復帰した225号車は粘り強い走りを披露し、510周でチェッカー。総合23位、ST-2クラス5位で完走を果たした。
ST-2クラス225号車「KTMS GR YARIS」のゴールシーン 画像はこちら
今年の富士24時間レースは雨の影響にスタート時刻が1時間ディレイしたほか、濃霧の影響によりセーフティカーが導入されたり、赤旗で中断になるなど実際のレース時間は短いものだったが、それでもKTMSは3名のドライバーのみで過酷な耐久レースを走破しただけに、3名のドライバーにとっては大きな財産となったに違いない。