24時間レースにたった3人ってひとり8時間!? 圧倒的少人数でS耐に挑むKTMSのドライバーに「正直キツくない?」って聞いてみた (2/2ページ)

ひとりのドライバーが常に3時間ずつ走り続ける

──単純計算では1名あたり8時間の走行になると思うんですけど、連続で走行できる時間はどのくらいですか?

平良選手:ルール的には3時間までです。うちのクルマはガソリンを満タンの状態で90分走れるんですけど、ダブルでスティントをこなす予定なので、常に3時間ずつ走ることになりそうです。

──3時間はキツくないですか? 正直、もうひとり、ドライバーを増やしてほしい……みたいな気もちはないですか?

平良選手:3時間の連続走行はきついですよ。でも、そのぶん、たくさんの時間を走れるし、走行すれば走行するほどドライビングが上手になりますしね。

──おお! むちゃくちゃポジティブですね!

平良選手:WECのル・マン24時間レースも3名で走っているじゃないですか。 海外では3名で24時間レースを走ることは珍しくないので、僕たちもその感覚で走りたいと思います。

 このようにKTMSの3名のドライバーに悲壮感はなく、やる気が十分。実際、6番手グリッドからスタートした225号車「KTMS GR YARIS」は素晴らしい追い上げを披露していた。残念ながら、レース終盤でトラブルが発生し、ピットイン。それでもレースに復帰した225号車は粘り強い走りを披露し、510周でチェッカー。総合23位、ST-2クラス5位で完走を果たした。

 今年の富士24時間レースは雨の影響にスタート時刻が1時間ディレイしたほか、濃霧の影響によりセーフティカーが導入されたり、赤旗で中断になるなど実際のレース時間は短いものだったが、それでもKTMSは3名のドライバーのみで過酷な耐久レースを走破しただけに、3名のドライバーにとっては大きな財産となったに違いない。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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