なぜほとんどの屋根が四角く平らなのか?
多くのガソリンスタンドが四角く平らなキャノピーを採用している理由は、ずばり「効率がいいから」ということのようです。形状や構造の制約はないので、そこで特色を出したいなら自由な形状にすることも可能ですが、凝った構造にするほどコストや工期がかさみます。
たとえば、四角く平らなキャノピーなら500万円の費用で2週間で済むところ、アーチ型のキャノピーでは1000万円以上で1カ月を要するという例もあるようです。また、設計が容易さという面も無視できないでしょう。キャノピーの面積は総敷地の3分の1以内(屋外型の場合)と定められています。しかしその土地の形状はさまざまなので、シンプルな四角い形状なら、強度や構造の計算もカンタンです。
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しかし、日本は地域ごとに天候などの環境が大きく違う国なので、さまざまな地域で同じ四角く平らなキャノピーでいいのかという疑問も湧きます。とくに雪深い地域では、雪の重さで家屋の庇やカーポートの屋根などが倒壊することもあり、ガソリンスタンドのキャノピーも例外ではないでしょう。
もちろんその点は考慮されていて、ある程度の重量に耐える構造になっていることや、雪かきが容易におこなえるようになっていたり、あるいは常に吹雪くような豪雪地帯では溶雪ヒーターが備えられているところもあるようです。
そのように、いまではほとんどのガソリンスタンドが四角く平らなキャノピーを採用していますが、なかには特色を出そうとおもしろい形状のキャノピーを備えているところもあるようです。そういう個性的なスタンドを巡るスタンプラリーのような遊びも楽しいかもしれません。