外国人がビックリする日本のタクシーの「自動ドア」 ただし自動ドア由来の事故が無視できないほど多い現状 (2/2ページ)

インバウンドやライドシェアの影響で変化が起きるかもしれない

 また、事故とはべつに、自動ドアに慣れていないインバウンドが自分の手でドアの開閉を行おうとするケースもあり、これは自動ドアのシステム故障にもつながりかねない。いっときの台湾では2代目トヨタ・シエンタのタクシーが普及してたのだが、その後急速に減っていった。

 台湾以外でもスライドドア車両のタクシーはまったくないわけではないが、ドアの自動開閉サービスはない。それゆえ日本ほどスライドドア車が一般的ではない海外では利用者が操作に慣れず、ドアを開けっぱなしで降りてどこかへ行ってしまうこともあり、それもあってかシエンタのタクシーが台湾では一気に減っていったものと筆者は考えている。

「アメイジング」と感じてよろこぶインバウンドもいれば、自国のタクシーのように自分の操作でドア開閉を行おうして困惑するインバウンドもいる。タクシーではドアロックしての運行が防犯上の意味からも推奨されているが、ロックせずに運行している運転士もいるので、状況次第では走行中にドアを開けられたりすることもある。

 また、2024年より日本型ライドシェアがスタートしているが、そこで使われる車両は、自家用車のもち込みはもちろん、タクシー会社が用意する一般乗用車であっても自動ドアには改造されていない。今後、本格的なライドシェアサービスが普及していくと、タクシーは自動ドアなのにライドシェアは自動ドアではないというチグハグな状況にもなりかねない。

 また、JPNタクシー以外のスライドドアタクシーでは、一般的なオートクロージャー機能を従来のタクシーの自動ドアがわりに使っているようだ。運転士が開閉操作を行う限りは、状況によらず事故やトラブル発生時には運転士の責任というものが問われてしまうからだ。

 タクシー運転士にとっては、とくにドアを開くときには細心の注意を払う必要があり、それがなくなるだけでの心理的な負担を和らげることもでき、ある意味では働き方改革の一助にもなるかもしれない。そう考えると、日本のタクシーの自動ドアはなくなっていくかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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