セミトレーラーの連結はトラックヤードで行われる
セミトレーラーの連結は、一般に「第五輪」と呼ばれる装置が使用されている。トラクタ側のカプラーに、トレーラー側のキングピンを物理的に連結するという仕組みだ。連結後にブレーキのエアホースや、電気信号を伝えるのトレーラーコネクターを接続する。連結、開放はおもにトラックヤードで行われるため、確実な作業のために必要な時間を確保できるのだ。
この連結部はたいへん丈夫に作られており、壊れて外れるということはほとんど考えられないという。連結作業のミスで外れることはあり得るが、多くの場合、走り出した早い段階で発生するために、トラックヤード内で問題が発覚する。すなわち、公道での事故はほとんど発生する可能性がないといってよいわけだ。手順通りに連結された第五輪は、極めて安全性が高いのである。
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ただ、ライトトレーラーに見られるドローバー(棒連結器)と、トレーラーヒッチメンバー(ドローバーをつなぐ連結器)による連結では、要となるヒッチボール(連結部)の固定部分などに異常が生ずれば、連結が外れる可能性は高くなる。以前、大阪府高槻市でトラックが牽引していた工事用電源車が、走行中に外れて歩道に突っ込んだことがあった。そのとき、たまたま自転車で通りかかった少年に、電源車が衝突するという悲惨な事故が発生している。
ライトトレーラーは個人使用や牽引免許がいらないものもあるために、その特性を十分理解していないドライバーも存在する。しかし、トレーラーの連結・開放は手順に従って作業をし、作業後に再確認をすれば基本的に事故が発生する可能性は低いのだ。ゆえに、プロであるセミトレーラーやフルトレーラーのドライバーは、日々細心の注意を払ってトレーラーの連結、開放の作業を行っているのである。