謎のコンセプト2.5ボックスセダン! バブル期に女性を狙った「オートザム・レビュー」は売れずとも愛すべき存在だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■バブル期に女性向けのモデルとしてオートザムからレビューが誕生

■かわいらしいデザインと実用性を兼ね備えた隠れた佳作

■販売は低迷し1代限りで販売終了となった

5チャンネル体制で勢いに乗るマツダの女性向けモデル

 大気汚染が社会問題となったことを受け、1975年以降に製造される自動車の排気ガスを1970〜1971年基準の90%以上減少させるという「マスキー法」をクリアするため、マツダがとった道はロータリーエンジンの開発でした。ルーチェやサバンナRX-7、コスモと、そこから1990年にかけてマツダはロータリーエンジンモデルを多数打ち出していくことになるのですが……。

 国内では、バブル絶頂期の1989年、販売網の拡大と強化をはかるためにユーノスとオートザムというふたつの販売チャンネルを新たに設立。既存のマツダ、マツダオート(のちのアンフィニ)、オートラマと合わせ、5チャンネル体制が確立されました。

 そのなかでオートザムでは、スクラムなどの軽自動車と、ランチアやアウトビアンキといったフィアット系の小型輸入車を扱い、どちらかといえば女性をターゲットとしたラインアップ。丸みのあるキュートな3ドアボディで、おしゃれなキャンバストップ仕様もあったキャロルがオートザムで復活を遂げ、勢いにのってさらに女性ユーザーを取り込もうと、1990年にオートザム専売モデルとして登場したのがオートザム・レビューです。

 その開発コンセプトは、「ハイコンパクト2.5ボックス」。一見すると3ボックスのセダンのように見えて、リヤがスパッと短くなっているところから2.5が出てきたと思いますが、女性からするとこの時点で、「ちょっと何を意味してるのかよくわからない」とハテナマークだったのではないでしょうか。でも、イメージキャラクターに抜擢されたのは当時イケイケで女性人気も高かった、キョンキョンこと小泉今日子さん。ピンクのボディカラーなどで華やかさも演出されており、発売当初はそれなりに人気となったようです。


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まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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