仕様書が大幅に変わらないと難しい
……などと妄想を書きつらねたが、実際の話としては、現段階でSUVまたはミニバンの覆面パトカーを交通機動隊が採用することはできない。なぜならば、交通警察隊が使用する交通取り締まり用四輪車の仕様は、警察庁が作成する「交通取締用四輪車 仕様書」によって細かく規定されており、SUVとミニバンは残念ながら(?)その規定に合致しないからだ。
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警察庁が平成12年9月13日に制定し、令和3年1月6日に改訂した上記仕様書によれば、「第2 車台及び車体」の1として「車体は、4ドアセダン型であること。」としっかり書かれている。この第2-1が改定されない限り、SUVまたはミニバンが国費購入パトカーとして導入される可能性はゼロなのだ。
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ちなみに「第2 車台及び車体」の2には「排気量は、3,000cc級以上であること。ただし、排気量が2,000cc級以上3,000cc級未満のものにあっては、最高出力150kW以上であること」と書かれている。150kWは馬力に換算すると約204馬力なので、前述したトヨタ・ハリアーの場合、最高出力170馬力である2リッター自然吸気エンジン搭載グレードだと第2-2に抵触してしまう。しかし、2.5リッターハイブリッドの2WD車はシステム最高出力218馬力であるため、ギリギリ大丈夫だ。
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警察庁におかれてはそろそろ「車体は、4ドアセダン型であること」という古くさい規定を改め、ぜひともSUVまたはミニバンの覆面パトカーを導入し、平和で明るい交通社会のさらなる実現を目指していただきたいと、切に願うものである。