歴代ゴルフで一番デザインがいいのはどれ? デザインのプロはジウジアーロの傑作「初代」を選んだ!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■歴代ゴルフのなかからベストなデザインのモデルを選ぶ

■初代モデルは2BOXハッチバックの原型を築いた

■4代目と7代目は初代を再構築してグッドプロポーションにまとめている

歴代ゴルフのベストデザインはこれだ

 長寿モデルをはじめ何代かに渡って販売されているモデルはそれぞれの時代を反映させたコンセプトが盛り込まれており、もちろんそれはスタイリングにもいえること。そこで、そんな各歴代のなかからあえてベストデザインを選んでみるのがこの企画です。何しろ個人的な意見ゆえ、苦情反論は受け付けませんので悪しからず(笑)。

2BOXハッチバックの原型を築いた傑作

 本シリーズ6回目となる今回は輸入車に注目し、VWのゴルフを取り上げたいと思います。コンパクトハッチのベンチマークとして昨年50周年を迎えた同車ですが、いまだその地位を他に譲ることなく現在に至っています。その8世代に渡るなかからベストデザインに選んだのはもちろん1974年登場の初代。ただ、それでは何の意外性もないので、今回はそのほかにも注目するべきふたつのモデルも取り上げたいと思います。

 タイプ1(ビートル)の後継としてイタルデザイン・ジウジアーロが提案した初代の偉大さは、その時点で2BOXハッチバックの原型を築いてしまったこと。しかも、シャープで立体感に富んだボディは、1980年代以降を予見したモダンさを持ち合わせていた点も圧巻です。

 ただ、そのボディを「折り紙細工のよう」と表現されていることには若干の違和感が。たしかにシャープで直線的な造形ですが、よく見ればボディ面の絶妙な張りに気付きますし、ルーフの滑らかなラインや角にRをもたせたサイドウインドウなど、巧妙に曲面や曲線を取り入れていることに注目するべきです。

 サイド面を貫くキャラクターラインはそのままリヤパネルまでまわり込み、テールランプはこのラインに沿って配置。こうした各要素を集約して全体をシンプルにまとめる手法も新しく、さらにキャラクターラインに埋め込まれたモールがボディを引き締めるアクセントになっている点も巧妙です。

 ゴルフらしさとしては例の太いリヤピラーが有名ですが、そもそも全長3725mmのコンパクトボディにこれほど広い面のピラーを違和感なく溶け込ませ、それ自体を個性としてしまったことに驚きます。

 また、パステル調の淡いイエローやブルー、グリーンのボディカラーが似合っていたのもシンプルな造形ゆえでしょう。


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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