病院や介護施設の送迎車に「ずさんな運転」のクルマが目立つ! 死亡事故まで発生したいま「緑ナンバー化」が必要か? (2/2ページ)

送迎車にも緑ナンバーを

 白ナンバー車の運転となり、無料で施設利用者(他人)を乗せるので、二種免許所持者が必ず運転する必要はない。筆者が事故に遭遇した送迎車を運行していた病院などでは、ロクな運行管理もしていないのは明らかなように見えたので、そのようなことを考えると、たとえ病院などの施設がよかれと思って送迎車を用意していたとしても、筆者個人としてはとてもではないが、大切な家族を託す気にはなれない。

 前出の事故でも当該運転手の、「トラックの前に入ることができると思った」といった発言は、当該運転手が二種免許所持者だったかは確認していないものの、自家用車を自分ひとりで運転しているといった感覚で患者送迎していたというように見えてしまう。

 多忙極める病院や介護施設などで、送迎車両の運行管理までなかなか手がまわらないといったこともあり、送迎車の運行管理を代行する業者も存在するので、送迎車に対して各施設の意識の違いが安心・安全な運行に大きな差をもたらせているのが実情なのかもしれない。

 そこで提案なのが、条件にかかわらず無料であっても施設送迎車すべては緑ナンバー登録を義務付けて、タクシーやバスのような厳格な運行管理のもと車両を運行すべきではないかという筆者なりの案。折しも、日本郵便でのずさんな運行管理が大きな社会問題を引き起こそうとしている。同じ施設送迎車であっても、これはいいけど、あれはダメといったことでは、今後は価値観の異なる海外のひとたちを積極的に移民として受け入れようとするなかでは、単純にトラブルの元凶にもなりかねない。

 郵便局だから、病院だから、介護施設だから……といっても性善説が通用しないのが悲しい話だが、いまの日本の現状とすれば、施設の種類に関係なく施設送迎車の全面緑ナンバー化を進め、自ら車両や運行管理するのではなく、全国の自治体運行のコミュニティバスのように専門事業者に運行委託するのが安心・安全な運行実現につながると思うのだが、そうなると二種免許を持った運転士不足などといった新たな問題に直面してしまう。完全自動運転車両がやはり問題解決の早道なのだろうか。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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