国内外メーカーの意外な勢力図
マツダはCX-5(車種別販売5位)がもっともよく売れているが、ほかにマツダ3(セダンが多かった)や、CX-8、マツダ2なども街なかでよく見かけることができた。
ハノイ市街地を走るマツダCX-5画像はこちら
東南アジアでトヨタ車といえば圧倒的な数のアルファードを街なかで見かけるのが常となっているが、ハノイでは先代メインにパラパラと見かける程度であった。車種別販売台数トップ10においてトヨタ車は7位にヴィオス、9位にヤリスクロスが入っている程度。ヴィオスはタクシーとして街なかでよく見かけるのでフリート販売も多いようだ。ヤリスクロスよりカローラクロスのほうが見かけることが多かったのだが、その多くは改良前モデルであった(2022暦年締めではカローラクロスは第4位と大ヒットしたことが大きい)。
ハノイ市街地を走るトヨタ・ヴィオスのタクシー画像はこちら
ホンダはCR-Vが売れ筋となっているようなのだが、あくまで筆者が感じた限りでは旧市街のような中心市街地よりも郊外の新興開発住宅地域でホンダ車をよく見かけたので、感度のいい中産階級ぐらいのハノイ市民がホンダ車を愛用しているようにも見えた。
クルマに限らず韓国系資本が強みを見せるベトナムでは、ヒョンデと起亜をとにかく街なかで見かける。ヒョンデでもっとも売れているのは2024年5月にフルモデルチェンジを行ったコンパクトセダンのアクセントとなっている。決め打ちでよく見かけるモデルこそないものの、ラインアップ全体がバランスよく売れており、結果としてヒョンデ車だらけとなっている印象だ。
ハノイ市街地を走るヒュンダイ・アクセント画像はこちら
起亜ではコンパクトクロスオーバーSUVのソネットや、3列シートをもつMPV色の強いコンパクトクロスオーバーSUVのカレンをよく見かけた。
意外なところではフォードが健闘していた。ハノイ市ではなかなか見かけなかったので、地方での需要が高いようだが、ピックアップトラックのレンジャーは第4位となり、大型SUVのエベレストも10位に入っている。タイなどではこの2車種のみで勝負したりと少数精鋭で販売しているのだが、ベトナムではミドルサイズクロスオーバーSUVとなるテリトリーもハノイ市内でよく見かけたし、ウェブサイトをみるとエクスプローラーもラインアップされていた。
ハノイ市街地を走るフォード・エベレスト画像はこちら
高級ブランドでは、ドイツ系はBMWが少なめ、メルセデス・ベンツよりアウディのほうが目立っていたが、全体ではESやRXなどレクサス車を多く見かけることができた。
2023暦年締め年間新車販売台数ランキングでは、ビンファストを含むBEVは1台もトップ10にはランクインしていなかった。現地報道でも2024暦年締めブランド別でビンファストが販売ナンバー1となったのはタクシーやライドシェアのニーズが目立ったからとしているものの、VF3はほぼ個人所有のように見えたことも事実。今回はハノイに限ってのリポートではあるが、ベトナムの消費者もBEVというものへの関心が高まっていることは間違いないようであった。