ドリフトに”ほぼ”初挑戦! 結果は…… 続いて移動したのは富士スピードウェイのドリフトコース。いわゆる広場だ。
ここでは、「Mercedes-AMG CLE53 4MATIC+ Coupé」と同型のカブリオレを使って、低ミュー路(散水)でのマシンコントロール体験だ。何度か走ったあとはドリフト体験なんかも組み込まれている。ちなみ筆者はドリフト走行をちゃんとした経験はない。この経歴がこのあと、悲劇を生む……。
AMG Experience on Trackを走るAMG CLE53 4MATIC+ Coupé 画像はこちら
まずは、CLE53を濡れた路面で大きな弧を描くように走らせる。ここでのインストラクターは⿊澤治樹氏。このクルマは、車名のとおり「4MATIC+」なので4WD。水が撒かれていようがなんだろうが、綺麗に旋回をしていく。滑りそうになっても、外側と内側の駆動輪を上手くつまむので、スピンするような挙動は見せないし感じない。とはいえ適当に乗るとアンダーは出るが、わりとオンザレールな感覚。
AMG Experience on Trackを走るAMG CLE53 4MATIC+ Coupé 画像はこちら
で、問題はその次。このクルマ、なんとも優雅でラグジュアリーなのだが、AMGはなにを思ったのか、なんとこれに「ドリフトモード」なんて謎機能をくっつけている(オプションのAMGダイナミックパッケージ選択時)。なんで?
もちろんそんなモードがあるもんだから、「ぜひ遊んでください」となるわけで……。
AMG CLE53 4MATIC+ Coupéのドリフトモード 画像はこちら
筆者は動画やら某ドリフト漫画(アニメ)を飽きるほど見ている。それに路面も散水済み。「ま、なんとかなるでしょ(笑)」という軽い考えでいざコースイン! ……が、”ド”アンダー連発。「これ壊れてんじゃないの?」なんて一瞬思ったがそんなわけない。そう。まったくなにもできないのだ。立ち上がりこそ挙動が乱れる様子を見せるが、コーナリング中は滑りすらしないわけで。めっちゃ難しいじゃんドリフトって。
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と、混乱してる筆者の元に、午後の担当である桂氏が早めの合流。そしてそのまま、「じゃ、横乗りますか」と乗り込んでくるが、待ってほしい。今、めちゃめちゃ恥ずかしいことが起きようとしている。しかし、横には走る運転大百科みたいな人がいるわけで。「このままではいかん!」と、走る前に「どうすりゃドリフトっぽくなるんですか?」と直球に質問。
そしたら、桂氏は、「進入でフロントに荷重をかけて切り込んで、リヤが流れたらアクセルON。ざっくりいうとこんな感じ」との指示。超シンプルだが、「いわれてみればこんな感じでやるんだった」と頭のなかを再度整理。2回目の走行に挑む。
AMG Experience on Trackを走るAMG CLE53 4MATIC+ Coupé 画像はこちら
すると、さすが”超”ベテランレーサー。運転している筆者以上に荷重移動に敏感で、「はいここで切り込んで踏む!」即指示が。やってみると、さっきとは打って変わってリヤが出るではないか! さらばドアンダー。しかし、そこから先が繋がらない。で、そのままスピン。どうやらカウンターが遅いそう。最新技術の塊でも、さすがにリカバリーしきれない。CLE53のドリフトモードは動力配分が0:100に、ESCは全OFFになるという。そりゃ回るわけだ。
AMG Experience on Trackを走るAMG CLE53 4MATIC+ Coupé 画像はこちら
その後も何度かチャレンジしたが、結果的に1度もドリフトっぽくはならずに終了! しかし、途中で急遽、超ベテランによる同乗によるレクチャーがあったので、感覚はちょっとわかった気がした。桂氏は、「最初はまぁそんなもんだな。俺なんて若いころは、矢田部のスキットパッドで丸1日クルマ振りまわしてたもん。タイヤも減らないしよかったよ」とのアドバイス。矢田部はもうないが、機会があれば是非そういった場所で練習したいと感じた瞬間だった。
桂伸一氏と編集井上 画像はこちら
こうして、初体験となった、「AMG Experience on Track 」の一部が終了。この企画、どんな人が体験するのか聞いてみたところ、「自身の愛車でサーキットは億劫だが、クルマも装備も全部借りられて、一流のプロが富士スピードウェイで教えてくれるなら、お手軽でいいじゃんと評判です」とのこと。富士スピードウェイでショップなどが主催する走行会が60分で3万円前後と考えたら、丸1日いろいろ楽しめて、プロのレッスンもついて、超プレミアムなクルマを借りられると考えれば、確かにお得かもしれない。年イチの贅沢と考えればこれも大いにアリな選択肢。
インストラクターの黒澤治樹氏 画像はこちら
午後の本コース体験は、桂氏にバトンタッチ。こちらでは「Mercedes-AMG GT 63 S E PERFORMANCE Coupé」と、「Mercedes-AMG GT63 4MATIC+ Coupé」という化け物を駆るプランとなる。桂氏は最高速度は富士のホームストレートで305km/hを記録したとかなんとか。こちらのリポートはまた別の記事で。
250km/h以上のスピードは体験したことないので、「次回は俺がこっちだな……」なんて思ったが、まずはドリフトを覚えたいと思います。はい。