100km/hで走るクルマの横で作る規制帯は命がけの作業! 道路工事の車線規制はこうして作られる!! (2/2ページ)

パイロンは手作業で並べられている

 規制帯を作り出す前に、まず工事などの予告看板を設置する。これは看板を載せたトラックによって行うが、この車両の後方には大きな電光表示板が載せてある。看板設置作業を行う手前から、ハザードの点滅と看板の表示を行なって後続車に注意を促し、看板設置場所に至ると車両を路肩に停めて看板設置作業を行う。

 規制地点に到達すると、車両は同様にして規制車線に停車する。場合によっては、規制地点手前から発煙筒を投下することもある。ここで注意が必要なのは、発煙筒が高速道路のつなぎ目に落下することだ。ここに使用されている樹脂は発火の危険があり、実際にここに落ちた発煙筒から大きな道路火災になった例があるという。

 停車した車両を盾にして、その後方で規制帯を作る作業に入る。発電機を稼働させて(最近はバッテリー式も増えている)規制を知らせる灯火類を設置すると同時に、先行する資材搭載トラックから順次パイロンを規制車線内側に降ろしていくのだ。このとき、パイロンが一般車両の走行する車線に転がれば、大きな事故につながりかねない。作業員がもっとも緊張する瞬間である。

 パイロンは規制開始地点から斜めに設置され、その後は車線境界線内側に沿って配置される。昼間は目立たないが、夜間ならパイロンが内側から光っていることを確認できるだろう。これは、パイロン内側に光源が入っているからだが、バッテリー&LEDランプ式のものだけではなく、発電機からリールコードで線を引いてひとつひとつ電球をつけているものも多い。

 規制帯が完成すれば、盾になっていた車両をゆっくりと規制帯内に移動する。これで、おおむね規制帯が出来上がったわけだ。せっかく快適に走行している高速道路で、規制帯があると渋滞が起こるなどして不快に思うドライバーも少なくない。しかし、高速道路の安全性を担保するためには、点検・工事は不可欠なものといえる。せめて、規制帯付近に発せられる速度制限を遵守して、安全な作業ができるように心がけたいものだ。


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