このままじゃ市民の足がなくなる! バス運転士の不足に「運転体験会」で対策 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年問題は運輸業界に深刻な人手不足をもたらした

■トラックとバスのドライバー不足は原因が少々異なる

■バス運転士不足の原因と対策について詳しく解説

バス運転士は神経を使う仕事

 運輸業界に深刻な人手不足を引き起こしたといわれている「物流の2024年問題」。これは、2024年4月からドライバーの時間外労働に上限960時間(年間)の規制が適用されたことで、実質的に労働時間が短くなって輸送能力の不足が起きるという問題だ。仮に労働時間が短くなったとしても、新たに人を雇ってそれに相当する収益が伴えば、こういった懸念は払拭されるだろう。しかし、現実は人手不足が深刻化するばかりで収益は向上せず、運輸事業者は頭を抱えているのだ。

 ただ、この問題はトラック業界とバス業界では少し事情の異なる部分がある。トラックドライバーはもともと過重労働の傾向が強く、その原因はユーザーである荷主によるところが少なくない。しかし、バス運転手の場合、とくに路線バスならダイヤがあるので運行管理がしやすく、長時間残業の常態化やサービス残業の多発といった状況にはなり難い。とくに公営交通や大手事業者は、労働条件の改善に長年取り組んできた実績がある。

 では、バスの運転手はなぜ不足しているのであろうか。その理由は、大型2種免許取得者の減少、現役運転手の高齢化、就職希望者の減少などだといわれている。確かに、バス運転手は早朝、深夜などの勤務があるだけでなく、シフト制で不規則な勤務体系になっている。加えて、人、自転車、他の車両などに注意を払いながら、大きな車両を運転するのでストレスのある職業だ。


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