邪魔なのも違法なのもわかってる! 路上駐車をしたくないけどせざるを得ない物流トラック業界全体の「路駐問題」とは? (2/2ページ)

切符を切られるのはトラックドライバー

 そのような身勝手な理由であっても、ドライバーサイドは仕事をもらっている以上反論できない。違反切符を切られる可能性が高いことを自覚しながら、やむなくその場所に駐車しているのである。

 今回のような取り締まりによって罰せられるのは、当然のことながらドライバー。はたして、これでこの問題が解決したといえるのだろうか。

 わたしたちに身近な存在であるコンビエンスストアに配送するトラックも、納品時間がこと細かく定められている。予定時刻より先に到着しても納品できないし、遅れたらペナルティを課せられる。そのため、納品先のコンビニ付近で時間調整をしなければならない。もちろん、その大半が路上である。深夜の納品が多いためさほど問題視されていないかもしれないが、路上駐車問題はドライバーを取り締まっても、解決しないのである。

 長距離を走る大型トラックのドライバーたちは、時給に換算すると最低賃金にも満たない場合がほとんど。それなのに罰金やペナルティを背負わされたり労働時間を短縮されてしまうと、まともな暮らしなどできなくなる。しかし、やり玉に挙げられるのは、つねにドライバーなのだ。そんな状況では、ドライバー不足に陥ってしまうのも無理はないだろう。

 ドライバー不足だと問題提起している国や機関が、ドライバー不足となる原因を作っている張本人。国の偉い人たちがそこに気づかない限りは、トラック業界が活性化するようなことはないだろう。


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